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swear;45;環

「なし」 部室の備品がなんかしらの力で粉々に壊れるんじゃないかってくらいの気迫を、ソノちゃんはは放っていた。 「まず環。単刀直入に言わせてもらう。こういうのをエロいって言うんだ」 「ほんとに単刀直入だ」 「太もも出しすぎ」 「でもほら…男だし」 「違う!性別の問題じゃない。こんなんで出て行ったら普通にざわつく。いやらしい目で見る奴が絶対出てくる」 ソノちゃんからは確実に波動が出ている… 「そして桂」 「は、はい」 その目は絶対好きじゃん。 「この衣装を選んだ生徒にごはん奢りたい」 「だよねーー!!!かっこよすぎだよね!」 「正直、これで人前に出て欲しくはない。だけど見せびらかしたい気持ちにもなる。……どうしたらいいんだろう……」 桂はソノちゃんを抱きしめた。 最近、ふたりがハグしてるのを見てるとちょっと照れてしまう。親が抱き合ってるの見たら恥ずかしくなる…みたいな感じのやつなのかもしれない。 「そのさんは本当にかわいいねえ」 「んん、」 ソノちゃんは真っ赤になった。 「とりあえず俺は最終日だけこれ着て行けばいいと思ってるけど、問題は環だ」 「そうなんだよな……環…うーーーん…」 ふたりはまじまじとわたしを見る… 「ほんとかわいいんだよ……心配…」 「環はどうなの、着てみて」 「うーん…初めはすっごい嫌だったし、こういうふりふりは趣味じゃない…けど…こんなのなかなか着ないから、ちょっと楽しい……あと、かわいいって言ってくれて嬉しい…と、思っちゃってるかな……」 ソノちゃんは腕組みして、難しい顔をした。 「うん、すごいかわいい。似合ってるんだよな…でも、扇情的な感じもするわけよ…」 「そうそうそう…そうなんだよ〜!!」 「これ着るのは3日目だけにしなよ。桂とお揃いでさ」 「そうだね、それだったらなんか大丈夫な気がする。桂がいたら安心だし…あ、ソノちゃんは来られないんだもんね?」 「そうだねー。行きたいのはやまやまだけど、保健室いなきゃね……桂、良からぬ声を掛けられる・触られる・盗撮される、を目撃したらそいつ殴っていいから」 「いや殴ったらダメでしょ。優しく諭してあげますよ。今、何かされましたか?って」 桂は笑顔だけど完全に腕に力入ってて、服で屈強な筋肉は直接見えないけど、圧力を感じる…… ソノちゃんからもやっぱり謎の気迫を感じる…怖い 「す、すごいなあ、わたしすごく守られてるなあふたりに」 「もはや娘」 「そうだね。目に入れても痛くないレベル」 「なんで…?」

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