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anxiety Xmas;68;都
むりやりソノの寝ているベッドに潜り込んだ。
ソファーをベッドに変形させて、がっつりリビングで寝られるように準備してくれたから、はじめは言われた通りにちゃんとそこで寝ようとした。寝られなかったらテレビ見ていいから!って言われて、ちょっとつけてみたりもした。でも全然寝られなかった。
ソノは寝惚けてたせいか、普通に受け入れてくれた。布団の中は暖かい。手足がキンキンに冷えてたから、頭まで布団に潜り込んで、ソノにくっついた。胸元に顔を擦り寄せた。
「わっ、お前冷えてんね体」
「ごめん」
「いいよいいよ」
太ももで足を挟んでくれた。これ、すっごい小さい頃にお母さんにやってもらったことがある。ソノ、お母さんじゃん。頭撫でてくれてるし。
「泣きに来た?」
「……行動は優しいのになんでそんなこと言うわけ」
「泣いていいよ」
「泣かない」
「環は泣いてたよ」
「…俺は泣かない」
「えーーーんって泣いてた。都より幼いね」
「なんで泣いてたの?」
「お前に彼女できたって思ったからじゃん?こっちは待ってるって言ったけど、待っててくれるとは言ってなかった〜って」
「……俺、すごいやな奴みたいな感じになってない?」
「そんなことないよ。恋愛に関してはほら、初心者だから環。俺もだけど」
布団から顔を出した。
鼻先が触れ合った。ソノはびっくりしたみたいにふるふる動いた。
「ソノはゲイなの?」
「そうだよ」
「桂先生が彼氏?」
「うん」
「他は誰かと付き合ったことある?」
「ない。セフレはいた」
「おおー。生徒にそんなこと言っちゃって」
「俺から学びなさいよ。セフレはおすすめしない」
「そうなんだ」
「だから、もしこの先誰かと付き合うなら、ちゃんと恋人になれる人と付き合いなね」
「……いつ好きな人が現れるか分かんないかな、今のところは」
「そんなこと言って、明日誰かに一目惚れするかもしれないじゃん」
「まだ無理だって」
「そう?分かんないよ?」
「…ソノ、意地悪だよね」
「ごめんごめん」
また布団に潜り込んで、予想外にしっかりついている胸筋を思いっきり触った。ぎゃーぎゃー怒ってる。
久しぶりにこんな、ちっちゃい子みたいなことしてんなーと思ったらめちゃくちゃ笑えた。
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