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anxiety Xmas;76;桂

25日の木曜日。 今日は授業が半日だから、いつもより早く部活が始まる。 部室に入って、自分のロッカーを開けた。 明日の終業式終わりが今年最後になるけど、多分お疲れ様会みたいな感じになるだろうし、今日はしっかりと体を動かしたい。 昨日のクリスマスがあまりにも幸せすぎて、そのことを思い返すと一瞬で気が抜ける。指輪を撫でながら、にやにやしてしまう。まずい。引き締めていかないと。 「おーい、桂ー!」 環が入ってきた。 「お!お疲れ様ー」 「わあ、にやにやしてる」 「嘘?今気を引き締めたところなんですけど」 「えー?ほんとに?」 「うん」 「目尻下がっちゃってるけどねえ」 「そう?……まあ、だめだね!昨日今日のこと思い返したらもう…へへ」 「えーー!なにがあったの?」 「指輪をあげたんだ。寝てる間に着けてサプライズ」 「えーーーーー!!!めちゃくちゃいい…!素敵すぎる」 「もうさあ、とにかくかわいいんだよそのさんのことが!!!」 「溺愛具合に拍車がかかってる」 「そうそう……」 環の顔を覗き込んだ。 「それはそうと、都と仲直りしたんだって?」 環は嬉しそうに目を細めて笑う。 「へへ、ソノちゃんから聞いた?」 「聞いたよ!あれからそのさんにがっつり話した?」 「今日の夜、ソノちゃんち行って話す!桂も来るよね?」 「行こうかな…明日早いからあんまり夜更かしはできないけど」 「手短には終わらないよー、話」 「いいところは早めに話するようにして!」 「全部が聞きどころだからなあー」 デレてる。 めちゃくちゃデレてるなこれは。かわいい。 「とにかく、今日8時にはソノちゃんち行くから、待っててね!」 では!って手を振って、環は颯爽と部室から出て行った。 かわいかったなあ環。 そう思いながらもう一回指輪を見る。 そのさんのかわいさは格別かな。 「…やばい、」 行かないと! 指輪をロッカーにしまった。 気を引き締めて、ロッカーの扉を閉めた。

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