25日昼過ぎ、持ってきていたパンを食べて一息ついてたら、ソノちゃんから昨日渡辺君とツリーの前で撮った写真と『都、保健室に居座ってるよ…』とメッセージが来た。 午前授業なのに、渡辺君はなんでまだいるんだろう…？ 『この写真のメイク、かわいいね』 …そんなこと言われたら照れる。 ソノちゃんってほんと最高だなって思う。褒められて伸びるんだわたしは！ 『嬉しい！ありがとう☺︎』って返信した。 部室にいる桂と少し話してから、ささっと仕事を終わらせて、すぐに文具屋さんに行った。ボールペンの方がギフトっぽいのがたくさんあったけど、まだシャーペンの方がこの先使うことも多いだろうと思うから、いいのがないか…フロアを色々見て回った。 結構ちゃんとした値段の、シンプルで使いやすいのが見つかった。黒と金があったけど、自分のも渡辺君のも黒にした。名入れサービスがありますよ、って言われたから、どうしようか少し考えた。こういうのって何がいいんだろう…？ 「お付き合いされてる方への贈り物でしたら、何かの記念日とか、彼女さんのお名前とかイニシャルなんかを入れられる方が多いですよ」 店員さんが笑顔でそう言った。 親切で言ってくれていることは分かってる。 「じゃあ、名前にします」 「こちらの用紙に記入して下さい」 渡された申し込み用紙に〔Miyako〕〔Tamaki〕と記入した。どちらが彼女だと思われてるだろう？ 名入れは思ったより早く仕上がって、彫られた文字はとてもきれいだった。 ソノちゃんちに向かいながら、彼女さんって言われたなあって、少し思い返した。 誰も悪くない。 胸が少し痛むけど、そのことを声高に言うつもりもない。こういうことはままあることだ。 気持ちを切り替えよう。 明日、渡辺君に渡すのが楽しみ。 それに今からソノちゃんと桂と話をするのも楽しみ！