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mess up;81;都
締めのホームルームが終わったらすぐに保健室に行った。それから、ソノにさっき友達から聞いた話をそのまました。
「環に彼女ねえ」
「いないっつうの。もうほんと環のこと色々話すのやめてほしい。かわいいとか言うのもほんとやめてほしい」
「……ちょっとお前やばい奴になりかけてるから注意した方がいいよ」
「うーん……あ、あとさあ、なんか…なんか竹井先生と手繋いでてめっちゃイラッとしたんですけど!…………だめだ…俺は精神が弱い…」
「なんだそれ」
「そういうシーンを見ても、ふーん、そっかー!くらいの強靭なメンタルがほしい…ソノはさあ、桂先生が知らない人と手とか繋いでるとこ見たらどうすんの?」
「桂は仕事柄いろんな人の体に触るじゃん。ジムのインストラクターだから、ここをもっとこうしてーとかさ。だからなんか、慣れたね」
「えー……」
「仕事じゃなくて、俺とプライベートでジム行っても、普通に話しかけられちゃうしね、お客さんから」
「嫉妬しないの?」
「してたよ。だけど、桂はちゃんと俺を見てくれてることも分かってるし、もし他の人の方がいいと思っても、その時は桂の幸せを優先したいって、思えるようになった」
「大人じゃん」
「大人だよ…っていうか俺のことをなんだと思ってんだお前はっ」
「一緒に寝た関係じゃん。お風呂も入ったし」
ソノは椅子の背もたれにだらーっともたれて、顔を両手で覆った。
「お前といたらほんとペースが乱される」
「また行くね」
「もう来なくていいから」
「えー!卒業したらもっと堂々と行けるって思ってんだけど」
「思うな!あともう帰れよ終わったんだから!」
「環のこと待ってるんだもん」
「夏目先生って言え!」
ノックの音がして、ドアが開いた。
「失礼します…あ、」
環だ!
すぐ走ってってハグした。
「わ、渡辺君」
最高すぎて語彙力が喪失する。
「待ってた、会えるの」
「う、うんうん…ちょっとでも、ほら、離れよっか、学校だしだめだよ、」
体から離れた。
顔が真っ赤になってる。
「これ、パンフレットとかのお返し」
小さな紙袋の中には、きれいに包装された箱が入ってる。
「ありがとう!」
「好みに合えばいいんだけど」
「環から貰ったものならなんでも好きだよ!」
ソノのため息が聞こえた。
「まだ便宜上付き合ってないんだろ?都、まだ先生って呼ぶ癖つけとかないと、変な感じになりそうだから気をつけろよ。環のことを考えて行動しろ。環も今は我慢」
「分かった」
環はこくこく頷いたあと、「あ、」って顔を上げてソノを見た。
「今日、今からテニス部のお疲れ様会なんだけど、竹井に仕事終わった後飲みに行こうって誘われて…桂とわたしとで…多分ソノちゃんにも桂から連絡来るとは思うけど、取り急ぎお知らせしに来たんだ。行ってもいいかなあって、桂が心配してた」
「なんで心配?いいよ行ってくれて」
「今日はふたりですごす予定だったんだけどな…って言ってた。明日はソノちゃんちから出勤する予定だったんだー!!ってロッカーで頭抱えてたよ?」
「あー…いや、気にしないで行って。…って言っといて」
「ほんと?じゃあそう伝えとくね!3人で行くのは初めてだ」
「楽しんでおいで」
「うん!明日から休みだと思うと、既に気分がいいね…!!今日は一旦帰って、明日ソノちゃんち行くね」
「今日から来てもいいけど」
「遅くなるかもだよ?」
「迎え行こうか?」
「え、いいの?」
「いいよ。場所送ってくれたらそこまで行くから」
「へへ、ありがとう」
………俺はまだ、ソノみたいに構えていられない。さっき竹井とこそこそ話したり、手握ったりしてるの見たばっかだし。それにソノもソノで、迎えに行くとか…!でもそれはいいのか。その方が安心だし……
それにしても感情を抑え込まなきゃいけないのに、ちょっと漏れちゃってる気がする。
「都」
「ん?」
「黙ってるけど」
「…だね、黙ってるね」
ソノは背中をぽんぽん叩いてきた。
「大人じゃん」
「大人じゃない」
「言えよ、思うところあるなら」
「……夏目先生」
「な、なに?」
夏目先生の顔を見た。
少し戸惑った顔をしてる。
なにをどう言えばいいのか分からない。
なんで竹井と手繋いでたの?
なんで竹井と飲みに行くの?
………こんなん聞いたら束縛強すぎるなこいつって思われそう…
ソノみたいに、信じればいいんだ。
自分だけを見ててくれてるって、信じれば……
「また、」
「ん?」
「また来年会えるの、楽しみにしてます」
「え、…あ、そっか、そうなるね、」
「次会うのは2週間後くらい」
「2週間……風邪ひかないように、元気に過ごしてね」
……めちゃくちゃ苦しいじゃん。
まだ付き合ってるんじゃないって分かってるつもりだけど、つらい。
でもこんなことでいちいちつらいなんて言ってたら、やってけないんじゃないかって気もする。
会えない間は気を紛らわせながら待つしかない。
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