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ドライブに行こう!ってふわふわの白いファーコートを着た先生のことを、また我慢できなくて抱きしめた。 ソノはさっき、諦めたみたいに「ここにいる間はもう何にも言わない。泊まりにおいでって誘ったの俺だし」って呆れた顔して言ってた。だから抱きしめても平気!さっき既にキスしちゃったしね。 「我慢してた分が爆発してんのかお前は」 「そう。もう…好きすぎて……」 言葉にできない。 「これから環が着替えたりするたびにハグすんの?」 「そうなるね…どう足掻いても好きって気持ちが湧いちゃうからさ…いいにおいするし、抱き心地はいいし」 「抱き心地ってなんか語弊あるだろ」 「フィット感?」 「…それもなんか変だな」 「なんて言えばいいんだろう?なんかそんなんばっかだよ。とにかく好き、それに尽きる。原点はそれ。そこからいろんな感情が派生して、そしてその感情のどれもが一言では形容できない」 「変態的だわ」 「あ、ある意味そうかもね」 「変態の方には環のこと任せられませんけど」 「変態じゃなくて、変態的だから」 「一緒じゃん」 「違う!」 「ほら見てみ?また環がフリーズしてる」 耳が赤い。 「変態に抱きつかれてばっかでもう、ガチガチになってんのよ体が。恐怖で」 「そんなわけないじゃん」 「いやいやいや、一言も喋ってないし。怖いんだよ盛った猿に隙あらば襲われて」 「……否定しようと思ったけど、たしかに盛った猿かもしれない…」 「否定しろよ」 「自分が怖いくらい、ぐわーーーってなんの。これって発情期?ねえ教えて?ソノ保健の先生じゃん」 「人間は特定の発情期はない。いつでも発情できるだろ」 「たしかに」 「…たしかに、?」 くぐもった声が聞こえて視線を落としたら、環がこっちを見ていた。上目遣いだ。なにこれかわいい……と思ったら、両手で胸を押された。体が離れる。 「環?」 環は深呼吸をして、への字になった唇を舐めて、噛んで、ソノを見た。 「ソノちゃん、変なこと言わないで」 「ごめんごめん。さ、ドライブ行くんでしょ?俺先に行って車片付けてくる。寒いだろうからブランケットとか積みたいし。準備できたらマンションの前まで車回すから連絡して」 ソノはそう言って先に行ってしまった。 ふたりきりになって、やっぱり抑えられないなって思った。また抱きしめる。 「環」 「…なに?」 「嫌だったら言ってね、俺本当に我慢できないんだ!いつも可愛いけど、ほら、こんな環は学校では見られなくてすごい、レアだし」 「偽物だよ、こんなの」 「なにが?」 「体、男のままだよ。服で取り繕ってるだけ。発情期なんて言われてもそんなの無理だから」 「無理?」 「渡辺君、女の子としてるでしょ?」 「え、」 それは、その、セックスしてるだろってこと…?たしかにたまーにそういう動画とか見て適当に処理することもある。よくある男女のそういうあれだけど… 「胸とか、こんなのパット入れてるだけだし!そういうことは、わたしは関係ないから」 「関係ない…」 「さっきソノちゃんと話してるの聞いて、あ!って思ったんだ。あんまりそういうことまで想像したことなかったけど、…なんか、ごめんね」 「待ってよ、関係なくない。この際だからはっきり言うけど、俺は環とそういうことしたいよ。環はそういうの嫌い?したくない?俺とするのが嫌?俺じゃない誰かとならする?」 「…わかんない、したことないから」 「えー!ほんと?…じゃあ一緒だね」 ……最高じゃん… 「は?」 「…ソノいないけど、する?」 ファーのコートを脱がせて、ソファーの背中に掛けた。ふわっ、て甘いにおいがする。 「ば、ばかじゃないの」 「環、」 「待って…だめ、違うってだからっ、嘘つきは嫌い、」 「嘘つきってなに?」 「都くん、」 やばい、名前呼ばれただけでちょっともう俺本当にやばいかもしれない、 「したことないなんて、嘘つかないで」 「嘘なわけないでしょ!なんで?正直に言うとそりゃ動画とかは見ることもあるよ?それもだめ?じゃあこれから一生見ない。環のことしか見ない!」 ソファーに押し付けた。仰向けになった環を見下ろしたら、そこまでするつもりなんてなくても…さすがにそれは我慢するだろ…って分かってるんだけど…とても我慢できそうにない、 一旦深呼吸。 それから足元に跪いた。 タイツなのかな、グレー、さらさらした触り心地。足を両手で触った。頬擦りして、甲にキスをした。 「き、汚いからやめて、」 「汚くない」 スキニー越しに細くてまっすぐな脚に触る。上に、上に、そのまま体に乗り上げていく。 「きれいな脚。おなか、触ってもいい?」 「都くん、」 「嫌だったら頭殴って」 左手を、セーターの下に滑り込ませた。インナーを引っ張り出して、素肌に触れた。すこし服を捲ったら、白い肌が見えた。ぺったんこのお腹。腹筋のラインが入ってる。唇を何回も押し付けた。環の聞いたことない掠れた声がする。そのせいでまた我慢が効かなくなる。 手を上にやったら下着に触れた。服を思い切って捲った。環は両腕で顔を覆ってしまう。 「…見ないで、」 「もう見ちゃった、すごい、こんななんだね。きれいなデザイン」 淡いピンクと紫が混ざり合ったみたいな、きれいな色。レースもすごく繊細なんだなって思った。こういうの初めて見た。 「これ以上は、もう」 「だめ?」 「だめ、まだ付き合ってもないのに…嫌いに……嫌いにならないで、…まだ嫌われたくない」 「嫌いになる要素どこにあんの?ないよ!」 「男がこんな下着、」 「違う!環は環だよ」 「でも体は、」 腕を背中に回して下着に触った。……どうしていいか分からない。 「……こういうのってスッと外してる気がするけどな…引っ掛けてるんだっけ…?」 「……知ってるんでしょ?」 「知らないよ!」 「…本当にしたことないの?」 「ないってば!言わせないでよ、恥ずかしくなるじゃん!スマートにサッと外せたらかっこいいんでしょ?分かんないよ」 「……嘘じゃない?」 「だからなんで嘘つくの!?初めてだから分かんない!教えてくれる?」 「…だってパットが、」 「嫌?」 「んん…」 …無理やりはだめだ。こんなの本当に盛ってるだけのばかじゃん…冷静にならなきゃ… 「…ごめん環、興奮しすぎて俺……」 環はソファーから立ち上がった。捲り上げてたセーターは胸元を隠した。両腕をもぞもぞ…ってして、そしたら下着がバサって床に落ちた。 「もし気持ち悪くても、3日までは一緒にいるの、我慢してね」 環はセーターをたくし上げた。 当たり前だけど、そこにはいわゆる男性のからだがあった。俺は目の前のその環の体に、完全に欲情してる。 さっきまではまだ我慢できたかもしれなかったけど、もうできないと思う。 「ほらね?」 「……我慢できない」 「…でしょ?」 セーターがからだを隠した。 環はくすくす笑った。 「あーあ、やっぱりそうなるよね!どのタイミングで見ても結局こうなったはずだもん。それが早まっただけ。付き合ってもないし!よかったじゃん、傷が浅くて済んだ!もう下着いいや。このままドライブ行こ。やばい、ソノちゃん待ってるよ?怒ってるんじゃない?ね!ほら、行こう渡辺君」 「付き合ってないとかそんなもん便宜上だから。付き合ってるよ」 「だとしたら振ってくれていいよ」 「何言ってんの?我慢できないって言ってんの!分かんない!?見てよ!どうにかなっちゃってるから!!」 ワイドデニムだからごまかしが効いてる…と信じたいけど、逆にもう分かって欲しかった。 環は目をまんまるくして「え」に濁点つけたみたいな声を出した。 「引いた?」 「引くっていうか…え……なんで…?」 「好きだからでしょ!!好きな人がすっごい可愛いかっこしてていいにおいしてて、押し倒して、触って、からだを見たから!!……俺は盛りのついた猿…」 「え、ま、待って、」 「またない!!!」 ソファーにもう一回押しつけた。 「もう一回見せて。服いい?」 「でも、」 「触りたい、」 もう出さなきゃおさまらないレベルになってる 「だめ?見るだけでもいい、1分…30秒見せてもらうだけでもいい、そしたらトイレ行ってくるからっ」 「ほ、本気なの…?」 「本気!」 環はセーターに触って、ゆるゆる引き上げた。 ……今まで自分の性癖についてなんて考えたことなかったけど、これだなって思った。だって、もう唇が先走ってる 見るだけでいいって言ったじゃん、なのに どうして舐めたくなるんだろう?だって舐めてるときってそれは見えなくなる。なのに勝手に動く、唇も舌も。さくら色の、あ、今の環のネイルみたいな可愛いピンク色の、ちいさなその部分を必死に、舐めたり噛んだり吸ったりして 自分が出してるぴちゃぴちゃいう音と環の掠れた甘い声が混ざって脳みそに溶けていく。そしたら指令がいって、もう相当出る寸前のところまで来る。微かに残る理性で顔を上げる。 目に飛び込むのは環の顔で、それは見たことない、扇情的な、端的に言うとやらしい表情。 それでまた我慢できずに唇に食らいついて、じゅるじゅるいわせて、うわ、やばいもう出そう、出る、そう思って焦って顔を上げる。環の潤んだ瞳、 「みやこくん、」 「だめ、出そう、ちょっとトイレ!!」 立ちあがろうと思ったら、ズボンの裾が引っ掛かって盛大に転けた。 「うわあっ!!大丈夫!?」 「痛い……」 ソファーの角ににおでこをぶつけた。尖ってはないけど、痛い…でもそんなん言ってられない。漏らしちゃうかもしれない。 「トイレ行ってくるっ」 「う、うん…」 ズボン下ろして触って、目を閉じて環の表情とからだ、声、感触を思い出す。一瞬であてがったトイレットペーパーはぐっしょりになった。

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