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mess up;95;都
ソノの鼻先と耳は真っ赤になっていた。
目元ももちろん真っ赤。
泣き腫らしてるし見てて胸がぎゅーってなったけど、それと同時に、ソノがあまりにもきれいに見えて動揺した。こんな表情もするんだ、みたいな…
環が部屋に戻ってる間、助手席に移動した。
ソノはゆるゆるとシートを起こして、ため息を吐いた。
「……自分が情けない」
「そんなことないって!ねえソノ、描いていい?」
「…ん?」
「ソノ、今めちゃくちゃきれいだよ。描き留めたいからそのまましてて」
いつだって持ち歩いてるスケッチブックと鉛筆で、泣き腫らした顔を描いた。横からと、斜め前から。
「…ふふ、」
「なに?」
「都といると、やっぱりペースが乱される」
「そう?それ喜んでいいの?」
「いいよ。あ、環となにしてた?」
…そっとスケッチブックを閉じた。
「……ソノ…俺、絶対、一生、環のこと大切にするから」
「…致しましたか」
「致し…っていうか、俺がひとりで耐え切れなくなっただけ…って感じ…かな…」
さっきのことを思い出して、顔が熱くなる…
「都」
ソノの目を見た。
「環のこと、よろしく」
そんな優しい笑顔を向けられたらなんか、
「まだ卒業してないからあれですけど」
「卒業してないけど、ソノの前ではもう付き合ってるってことでいいよね?」
「んーーー……立場上いいと言い切れないけど、いい」
「いいんじゃん!!あー!ほんとソノのこと大好き」
「はいはい、ありがとう」
「俺にとって環と同じくらい、ソノのことも大事だよ」
「ありがとう」
「だから、今も俺にできることあったら、なんでもしたい。胸貸す?」
「……や、環の借りるわ」
…ぼわーーーってついさっきまでの出来事を思い出した。…環の胸
「それはちょっと…だ、だめかも」
「なんだよだめって」
環の胸に、ソノが顔を埋めるんですもんね…
「……うおお…」
「なに唸ってんの」
「え、えろすぎると思うな…それ…」
「はあ?」
「うーーん…それはそれでちょっと……見てみたいような…」
「なにが?どういう想像してんだよ」
環の胸に頬を寄せて乳首舐めてるソノの画
…って頭の中で一回声に出してみる。
いやーーー言えないねこれは!
「なんだよもやもやするなあ」
「環の胸に頬を寄せて乳首舐めてるソノの画」
言っちゃった。
「!?」
「ごめんって!!」
「お前……まじでばかだな!!」
「高校生の男子だよ!?発情期!ゆるしてよっ」
「俺を巻き込むな!そういうのはふたりだけでやれっ」
「あ、ふたりだったらいいんだ」
「…くっ」
「へへへ、さっきしちゃったもんね」
「あーあーあーあーあーあーききたくない」
こんこんこん、って窓をノックされた。環が帰ってきた!
「ソノちゃん復活してる!」
「心配かけてごめん、環。こいつ俺が環の胸にほっぺくっつけて乳首舐めてるとこ想像しちゃったんだって」
「ソノ!ばか!!」
「……都くん、ちょっと車から降りようか」
めちゃくちゃ叱られた。
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