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neeedyyy;111;桂

もう何回もしてるはずなのに、今日は一段とすごかった。途中からそのさんは見た事ない感じになって、端的に言うと『エロい』。それに尽きる。表情も動きも声も全部!恥ずかしながら、1回出したくらいじゃ全く収まらなかった。なんなら今、思い返してもやれる。それくらいの破壊力があった。 しかも特筆すべきは「すき」「だいすき」…これを連呼してたこと。ツンツンしたそのさんが、ここまででろでろに甘えてくることがあったか!!!なかった!!初めてだった、最高…本当に最高だった… 今は体も洗い終えてソファーに座っている。 で、そのさんは俺の太ももを枕にして熟睡している。あーーーかわいいーーーー!!! 「ソノちゃんってあんなことになるんだね」 「!!!」 振り返ったら環がいた。 「心臓止まるかと思ったーーー」 「へへ、ごめん。ちょっとだけ聞こえちゃった…聞き耳は立ててないよ?ほんのちょっとだけ…多分声おっきかったんだよ、ソノちゃん」 「寝られないの?」 「うん、ベッド連れてってもらってちょっとしたら目が覚めちゃった」 「そっか」 環はソファーを背もたれにするみたいに、ラグの上に座った。俺の膝に寄りかかってくる。 「いいな、仲良し」 そう言って見上げてくるから、目が合った。 環はそれからそのさんの髪を撫でた。 「環はさ、都のこと嫌いになったわけじゃないんでしょ?」 「…そうだね、嫌いになれないから苦しいんだろうな」 「好きなままでいいじゃん」 「うん…でも都くん、彼女できてるし。好きでも、嫌いになれなくても、付き合ってはいられないよ」 「都と話した?」 「ううん、話してない。つらくなるから、何日か前からメッセージも見ないようにしてるんだ…こうやって桂とかソノちゃんに話したら、心の整理もつくだろうなって思って……そっか、今見てみよっかな」 環は立ち上がって、スマホを取ってきた。 それからまた、さっきと同じ場所に座った。 「んー…内容、いつも通りだ。予定とか、いろいろ」 「じゃあやっぱり、彼女とかってあれじゃなくて、友達同士で出かけて偶然…ってことじゃないの?だって、環が竹井にカイロ借りてなんとかかんとか〜みたいなやつあったじゃん?あれの逆バージョンでしょ?」 「……竹井が「手を繋いでた女の子、中学生の頃から渡辺君を好きだったから成就してよかったー」って言ってた」 「竹井、何者なの」 「わたしもそれ竹井に言った!…あはは、竹井面白いよね!女子の恋バナ聞かされるって言ってた」 「はー…なんか竹井っぽいね」 「ねー!」 環はにこにこ笑ってて、さっきまでの反抗期感はなかった。 というか、都は環と竹井のことで嫉妬してたんじゃん!…ほんとややこしいな……! 「あ、竹井といえば!」 環が顔を上げた。 「なんかさー、竹井と並んでたらお似合いだって言われた、女子達に。BLだって!ご勘弁だよ〜」 「ごめん、俺関係ないのに嫌だわそれ…竹井に環のことは任せたくないし、BLじゃないし」 「BLはBLなんじゃないの?」 「なんでよ、違うでしょ!少なくとも俺からはそうは映らないよ。それにしても竹井がもし環にアプローチしたとしても、俺を通して頂きたいね。絶対に」 「あはは、パパ」 「環を幸せにできるのかと問いただしたい」 「幸せにしてくれるならねえ」 「え!!いいの!?竹井だよ?」 「あー……やっぱ嫌かな。ちゃらいし」 「そうだよ、やめときな」 「じゃあ、どんな人とだったらいいんだろうなあ」 環の頭を撫でた。 「都がいるでしょ」 「…もういないし」 「大好きな都より、ちゃらい竹井を信じるの?」 環は顔を上げてこっちを見た。唇が半開きになってる。 「……たしかに…」 「竹井が絶対に信用できないってわけじゃないけど、やっぱり都から話聞いた方がはっきりすると思うな」 「そうだね、連絡してみる。……夜中すぎるね、明日がいいか」 「いや、今しなよ」 午前2時だけど、善は急げと言うし。 スマホを触る環の背中をさすった。

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