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neeedyyy;112;都
音がして目が覚めた。
普段なら着信音で起きることなんて全然ないのに、今日は…というかここ数日は眠りが浅すぎるんだと思う。
スマホを手に取った。画面が眩しくて目を細めた。けど、そんなの一瞬だった。
環だ、
慌てて体を起こして画面を見た。
『ここ最近返信してなくてごめんね』『月曜帰ってるときに何人かで遊んでるところを見ちゃいました。竹井が、渡辺君達が手を繋いでるの見て、よっしーと付き合ったんじゃんって言ってたんだけど、それってほんとかな?』
……見られてたんだ。誤算だった、
『成就してよかったって竹井が言ってた🥲』
なんで竹井先生?
なんか出てきすぎじゃない?
『よくばりなのかもしれないけど、ひとりとひとりで付き合ってたい…だけど、わたしじゃだめだってことも分かるから早めに教えてもらえたら嬉しいです』『わかれるべきか』
……見られてたとは思わなかった。どうしてちゃんと断らなかったんだろう?
時間戻せたらいいのに。
でもそんなのできない。
もう今からできることといえば、素直にどうしてこうなったのか、と、自分の気持ちを話すことしかない。
ショックすぎてずっと内臓がぞわぞわしてる。
ちょっと泣きそう
文を何度も読み返す。
わたしじゃだめだってこともわかる?
これってどういう意味なんだろう。俺には環しかいないんだ、って、思ってるのに
だけど吉崎さんとしっかりめに手を繋いでるとこ見たんだもんな、
逆に考えたら、俺だってじっとしてられないと思う。なんでなの?って絶対思う。
……環、竹井と一緒に帰ってたんだ。
満更でもなさそうだった、前、ふたりお似合いって言われて。
竹井先生と、環。
まさかだよな、
余計に内臓痛くなってきた。
『全部誤解
『別れない
打っては消して、やっぱりメッセージでは返せない。こういうの、絶対解釈が拗れておかしくなる。
始発の時間を調べた。もう目が覚めちゃったから、出る支度を始めた。
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