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neeedyyy;113;苑

目が覚めた。体が痛い。 枕にしてたのは桂の太ももだった。ソファーに座りながら寝てる…桂の方が絶対体痛いじゃん…!落ちかけた毛布を掛け直した。 まだ7時前。 インターフォンの音がした気がする。 目を擦ってモニターを見たら、手を擦り合わせて寒そうにしてる都が映ってる。 「なにしてんの朝から」 『入れて!寒い!!』 ロックを開けた。 顔を洗った。 キッチンに行って電気ケトルに水を入れてセットした。 マグカップを2つ用意して、なんか環が買い置きしてたハーブティー?モーニングなんとか、みたいなののティーパックを入れた。 …思いっきり部屋着だけど、まあいいか…… もう一回インターフォンが鳴ったから、玄関を開けた。 「おはよう」 「おはよう。なに、早くない?」 「早くないよ、俺2時過ぎから起きてるし」 「身長伸びないよ」 「もういいよこれ以上別に伸びなくても」 「都って何センチなの?身長」 「180」 「おー」 都は慣れたもんで、勝手に手を洗いに洗面所へ行った。 その間にハーブティーを淹れた。 爽やかな香りがする。 そうこうしてるうちに都はリビングに来て、アウターを脱いでハンガーに掛けた。慣れすぎ! 「環は?…わ!桂先生寝てんじゃん」 「そうだよ、なんで来たの?」 「環に会いにですけど」 「あーあ、桂と寝てたのに」 「それはほんとごめん、めちゃくちゃごめん」 しっかり謝ってくるから笑ってしまった。 「うそうそ。別になんも思ってない。朝早いなとは思ってるけど」 「うん…ごめんねまじで…なんか、会って話さないとだめだって思って…」 「そっか。環、寝室にいるよ。行っといで」 「え、まだ寝てるんじゃないの?」 「寝込み襲ってこればいいじゃん」 「絶対嫌われるじゃんそれは。別れる決定打になるでしょ、今瀬戸際なのに」 「瀬戸際なの?」 「とぼけないでよ!」 「恋人繋ぎなんてするからだろ」 「……時を戻したい」 「戻らない。ほら、お茶ちょっと飲んで落ち着いて、深呼吸して」 都は素直にお茶を飲んで、ふーっと息を吐いたら、行ってくる、って小さく呟いて寝室に行った。 お茶を一口飲むと、だいぶすっきりして目が覚めた。 桂の隣に座ったら、寝ぼけて抱きつかれた。

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