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neeedyyy;116;環

渡辺君が来てくれて、わたしも前向きにならないとって思うのに、それがうまくいかなくて、頭の中がぐちゃぐちゃになっている。 完璧な女性の彼女に、わたしが敵うわけがない。その彼女はわたしの生徒でもあるわけだ。 生徒に対して嫉妬だとか…そんな気持ちを抱くことへの自己嫌悪感も凄い。 どこをどう切り取っても、醜い感情しか湧かない自分があまりにも惨めだと思った。 ずっとこんなふうな自分であり続けることになってしまうんだとしたら、もうだめかもしれない。渡辺君にわたしは不釣り合いだ。 「そんなこと思わなくていいように、もう二度とこんなことしない。環のことを悲しませるようなことは、」 自分の問題なんだよ、渡辺君のせいじゃない このまま終わらせるみたいに話をしてしまっている。 大丈夫なのかな、 渡辺君のことは好きだ。でも、好きって気持ちと不安に思う気持ちの釣り合いが取れなくて、 話は平行で進まない。 渡辺君は唇を噛んで、それから息を吐いた。 「別れたほうが、環のためになるなら」 これでいいのか分からない。 好きなのにこんなことでいいのか、 「そう、しよう」 なにも言えない。 だって口を開いたら涙が出る。 渡辺君は顔を両手で覆って、少し唸り声を上げた。それから、バッと顔を上げた。 「よし!もうくよくよしない!」 にこっ、て笑顔になる。 あまりにもかっこいい、本当に王子様みたいだ 「環、今までありがとう」 わたしはなにも言えない。 全く気持ちは切り替わらない。 「俺、多分すごい引きずると思う…思います。本当に好きだったから。遠くから見てるだけのつもりだったんです、本当は。それで、卒業式のときに一緒に写真撮ってもらおうって、それさえ叶えられたらいいなーって。だから、逆に考えたら、こうやって学校以外で会ってもらえてた事自体奇跡だし、それってすごい幸せだったんだって、思います」 渡辺君はスマホを取り出した。 「連絡先、教えてもらったけど、今もう消しちゃいます。苦しくなるから。写真とかも」 きれいな指先は、するすると動いている。 きっと、わたしの痕跡は消えていってる。 「…よし、…全然良くないな……や、良いです、先生のためになるならなんでも!…あーーー、写真は置いとけばよかったかも!!でも、嫌ですよね、俺が先生の写真持ってたら。きもいなこいつって…それは思われたくない……」 「そんなことは、別に」 「あ、でも大丈夫です、もう全部消したから」 ばかみたいに、胸が苦しくなった。 自分でそう仕向けたくせに 「あ、ソノと桂先生っていつ帰ってくるのかな…一応、報告したいなって思うんですけど…でも、まだかかるかな…居座るのもあれだし、……とりあえずソノにはメッセージ送っとこ」 スマホを触る姿を見つめた。

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