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neeedyyy;121;苑
テンションも上がり、話が落ち着いたところで預かり物の封筒を取り出した。
申し訳ないけど、渡さないわけにはいかない。
「都、これ環から預かり物」
「……返された?」
「当たり」
都は中身を確認した。
「…もうあれだよ、落ち込まないって決めたから」
背中が丸まって小さく見える。手のひらにはシャーペンと指輪。と、涙
「……指輪、だいぶ考えてデザインしたんだ」
都は、左手の薬指に指輪を着けた。
指輪は第二関節の上でとまった。
「あんまりボタニカルな雰囲気にはしたくなかったけど、でも、蔦をモチーフにしたんだ。なんか、絡み合って伸びてく感じがすごい、いいなあって思って。永遠の愛とかなんだよ、花言葉。作ったあとに調べて知ったんだけど、」
都はくすくす笑う。
「引くよね」
笑った拍子に、涙がぽたぽた溢れる。
「アイビーって種類のなんてさ、死んでも離れない、だよ?やばすぎじゃない?付き合ってるときはそれくらいの気持ちだし!とか思ってたんだけど、いざ別れて返されたら、俺って気持ち悪すぎだーって思っちゃうね。どうしようか、これ。俺も外すわ、やっぱり」
きっちり留めていたシャツのボタンを外して、都は力ずくでネックレスを取った。
「いらないよね、こんなもん」
ものすごい辛かった。
なんで俺がこんな気分になってるんだ?
どうしてこんなことになってんだよって、本当にどうにもならないのかこれ、って、
「……ソノ、つらいよ、」
ううう、って泣くから、抱きしめた。結構強く、ぎゅーって。長い髪をぐしゃぐしゃ撫でて、背中を摩った。
「つらいね、分かる。…俺ら、お互い泣いてるとこに居合わせてない?」
「……たしかに…へへ、うけるね」
「都ってさ、もう環のことよくなった?」
「よくなってたらこんな泣かないって!」
「もしまた付き合えるとしたら、付き合う?」
「当たり前じゃん!!でももうこんな嫌われてるんだからどうにもならないけどねっ!!」
「嫌われてないから」
「お世辞はまじで困る。まじでやめて」
「お世辞ではないけど…」
都のほっぺたを両手で挟んだ。
泣き顔も整ってて素晴らしい。
「環は、ぐずぐずしてるだけだと思うんだ俺は。ものすごい余計なお世話だろうけど、俺はお前と悪足掻きしたい。なんとかしなきゃ」
「……うん」
我ながら本当に余計だし、めちゃくちゃだなと思う。下手したら更にふたりを傷つけることになるし…
でも、傍目から見てると、どうしたってふたりはお互いを好きだし、どうしてこんなことになってるのか意味不明。
「…やるぞ、都」
都は涙を拭って頷いた。
「とりあえず仕事しないとだから、また連絡する」
「ソノが仕事終わるまでここいていい?」
「別にいいけど、まだ微妙にかかるよ?」
「いいよ」
「あと、まさかとは思うけどうちに泊まるのは厳しいよ」
「桂先生来んの?」
「環…」
奇怪な動きしながら、ベッドに転がった…
「だって傷心だしほっとけないじゃん。いつまでいるのかよく分かんないけど…」
「いいよね夏目先生はさ!ソノが毎晩慰めてくれるんでしょ?俺は誰を頼ればいいの?」
「俺も桂も慰めてるじゃん」
「夜は?夜が一番堪えるの知ってるでしょ?」
「まあ、分かるよ…分かるけどさ…」
「あーーー、気持ち切り替えたつもりだったのに全然切り替わってないー俺ほんといくじなしじゃん最悪」
うう、って唸り声が聞こえる。
「思う存分泣きな。俺は仕事を片付ける。そしてあの頑固者をどうやってやっつけるか考える」
デスクに向かった。
なんとかしようって勢いよく言ったものの、結局は環を素直にさせるって事以外ないよなー。
どうしたら都が好きだと素直に認める?
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