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adore u;128;苑
「考えられないんですけどまじで!!!!」
「卒業式の日までそんな感じなんだなお前」
逆にすごい。
卒業式なのに保健室に来てぐっだぐだしてる。
さっきまで答辞読んでた人と思えない。
「だっておかしくない!?思いっきり抱きしめられて、鼻だって擦り寄せられてたよ!?俺にもやってって言ってもしてくれないし、いつの間にかどっか行ってるし」
「テニス部だろ」
「だろうけどさ!!」
「お前も後輩達から花束もらってたんだろ?しかし立派だねこの花束」
「うん……こんなのもらうと思ってなかった…結構な人数の人たちからもらって、1人ずつ写真撮って下さいって言われて、嬉しいしありがたいんだけど………ね…」
「疲れるよな」
「うん、疲れた…で、教室戻ったらハグされてるしね!!」
「話戻っちゃった」
「あーーーーー!!!テニス部、長くない!?環のうち行く予定なんですけどっ」
「声がでかい!まだ学校いるんだから抑えろって!!」
「あああ〜〜さっきから通知うるさい」
「環じゃないの?」
都は慌ててスマホを見る。
ほんと忙しい奴だな…
「全部違う!!!」
「うるせえな声が」
「クラスの打ち上げ、美術部、後輩の子、先輩」
「先輩からも連絡くんの?」
「うん…なんかおめでとうって。ごはん奢ってあげよっかーって」
「……引くわー…怖いぐらいもてるんですね…」
「やめてよ」
「なんか行ってこればいいんじゃないの?終わってから環んち行けばいいじゃん」
「……家知らないし」
「駅まで迎えに来てって言えばいいじゃん」
「だめだよ、夜道を1人で歩くの危ないし」
「環、大人ですけど」
「だめ」
思わずため息をついてしまった…
「俺、環と写真撮ってないし」
「そうなの?夢だったじゃんね、卒業式に写真撮るの」
「そうそう!えー、ソノ覚えてくれてんじゃん」
「覚えてるよ。いやー、ほんと良かったね。写真撮るだけにならなくて」
「…言わないつもりだったもんね…」
「そうそう。堪えられたのかね、もしそうなってたら」
「ね……でも、もし美術館の前で雨宿りしなかったら、なにもないまま終わってたかもしれないなって思う。だから、やっぱ運命だったんだなーって」
ドアが勢いよく開いた。
「運命の人来たじゃん」
都は腕を広げた。
すっぽりと収まったのは息を切らしてきた環…
「うっ、」
腕が後ろから回ってきた。桂だ…
「都も環も、よかったね」
桂に身を委ねるみたいに、力を抜いた。
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