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柊side10

その日から僕はクラブに行くのをやめた。 ✩.*˚ 「あ、おかん?うん。いるもんだけ今日おくったばい。 あとは捨てたり、売ったり、友達にやったりして・・・・。 部屋はきれーなった。うん。明後日そっち行くけん。 今日明日は部屋になんもなかけん、友達んとこに泊まらしてもらう。」 「タケル、泊めてくれてありがとう。」 『それはええんよ。こちらこそ家電とか色々サンキューな。・・・・・・なあ、柊』 「ん?」 『寛太さんには地元に戻ること言わなくていいんか?』 「うん。・・・タケルタバコ1本ちょうだい?」 『あれ?そのジッポ柊の?っていうか、お前タバコ吸ってたっけ?』 「いや、初めて・・・・ありがと。すぅー、フゥー ゲホゲホッ!!」 『ああ〜、やめとき?慣れないことに手ぇ出してもいいことないて』 初めて吸ってみたタバコは苦しくて咳が止まらなくて・・・・涙が止まらなかった。 僕は初めて声を出して泣いた それからはジッポは使わずにお守りとして持ち歩いている。 ✩.*˚ あれから5年が経った。 僕はあの後大学を卒業するまでの間単位も取ってたから大学に行かなくて良くて。1月末には部屋を解約し地元に帰った。 地元に就職が決まっていた僕はあれから働きながらも そこそこ男性経験も経て、それなりに大人なっていた。 出張で5年振りにこの街に来たのは偶然にも12月23日だった。

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