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僕の好きな人
僕の好きな人。
ん?だーめ。
またそっちで『帰る!帰る!』って言ってるんでしょ。
担当さんからも連絡あったよ。
電話も出来るんだし、僕は家にいるから。ね、ここで待ってるから。
もう心配しないで。大丈夫だよ、不安になってないから。僕は平気だから、きっちり仕事して帰ってきてください。
え? 違う? 俺が帰りたいからだって?
あはは、うそだぁ。あなたは本当は、駄々こねないで、しっかり仕事をする人だってこと、知ってるんだからね。
以前は、何日も家を空けていても平気だったんでしょ?また、僕のこと考えて優しい嘘つくんだから。もう。
ふふふ。またぶつけた?
足の小指は痛いねぇ。
僕を抱き上げてベッドに行くとき、必ずドアに足をぶつけるよね。可笑しい。
大きな体のあなたが小さくなって、ぶつけた小指を『痛い痛い』って擦ってる姿を見ると、なんだか、もう、ふふふ。
でもさ、これ以上怪我を増やさないで。心配だよ。
僕の好きな人。
僕は、あなたの丸いおへそが好き。
おへそにキスすると、あなたはくすぐったいから、笑って『へそはやめろ』って言うでしょ。
でもね、朝起きると布団からはみ出して寝てるから、おへそにキスし放題なんだよ。知ってる?
早く起きないかなぁって、いつも寝顔を見てるんだ。明日も早く起きないと、おへそにキスしちゃうぞ。
あなたの近くにいくと、甘えたくてすぐに膝の上に乗っちゃう。ふふ、ごめんね。
だってさ、あなたは広くって大きくって安心するんだよ?それに、膝の上に座るとすぐに腰に手を回して支えてくれるでしょ。
そしたら今日も言ってくれるかな?
待っててもいいかな?
二人きりの時は、囁くように『愛してる』って言ってくれるんだ。
膝枕をしている時は、下からのぞき込まれて『好きだよ』って言ってくれるんだ。
だけどみんながいるときは、わざと周りに聞こえるように『愛してる』って言うんだから。もう、大きい声で言わないでって言ってるのに。
大誠さん…
今度は僕の方から大きな声で言うからね。愛してるって。
覚悟しておいてよ?
end
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