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除夜の鐘をつく前に…②※

坂道を上る。 歩く時と違い、バイクだとあっという間に家に到着する。途中にあるチロ先輩の家も、びゅんっと一瞬で通り過ぎていた。 一瞬だったけど、蝋梅の花がたくさん咲いていて綺麗だった。 「なぁ…千輝、やっぱりさ、車どうかなって思ってんだ…」 家に帰って早々に十和田から相談される。 ここのところずっと車のカタログやら、ネット検索やらをしていたのは知っていた。 そして千輝の様子を伺っていたのも知っている。チラチラと見られてるなとわかっていた。 「あはは。やっぱり?欲しいですよね。大誠さんの好きな車買えば?僕も少し出しますよ。いつもバイクにも乗せてくれるし」 「いや、そんなのはいいんだよ。この前の小説も売れたし、買おうと思ったら車なんてすぐに買えるから。だけど、千輝に嫌がられるのがなぁ…」 「えっ?なんで?嫌がってないですよ?バイクだけでいいんじゃないですかって聞いただけで。大誠さん、ずっと欲しそうにしてたし、僕のこと気にしないで買えばいいのに」 「だってよ…その…車見たら思い出したくないことを思い出すとか、あるんじゃねぇの?」 ソファにも座らず、部屋の中で突っ立って喋る十和田は必死で伝えている。 とりあえずほら、とソファに座らせて、何を考えているか教えて欲しいと伝える。 うーんと渋っていたが、十和田はボソボソと話始めた。要は、新しく車を買った後、千輝がまたいなくなったらと思うと、どうしたらいいかと思ってるらしい。女々しいとか言うなよと、また言っている。 「もう大丈夫だって。これだけ一緒に生活してるんだよ?」 新しく車を買っても千輝がいなくなってしまったら、意味がない。長く二人で乗れる車が欲しい、そうじゃないと買うまで踏み切れないと言っている。 十和田がずっと考えていたことがわかり、かわいそうになってしまう。千輝は突然家を出て行くことなんて、もうしないのに。 十和田の膝の上に乗る。 難しい顔をしていた十和田が、少し和らいできた。そのままチュッと千輝からキスをする。 「じゃあ、一緒に買いに行きましょう。それだったら大丈夫でしょ?ほら、一緒に行けば、最初から二人の思い出を作る感じ?そんな感じになるじゃない?」 「本当に?…」 「うん、大丈夫だって。じゃあ買うのは、来年の楽しみにしましょう?」 よし!っと大声で十和田は叫んでいた。 来年早々にディーラーに行こうと、早速予定を作っていた。千輝が不安に思っていなければすぐに行動出来るといったところだ。十和田にしては慎重に行動していたようだ。 どんなことでも千輝絡みだと真剣に考えてくれる。千輝はチュッチュッと十和田にキスを続けた。十和田の手も千輝の腰を支えている。 「大誠さん…お風呂入る?」 「もう入れるようにしてある」 早い。 準備万端はいつものことだけど、帰る時間が早くなっても抜かりなく、お風呂は入れるようにしてあったのか。 ◇ ◇ 「やぁぁぁん…た、大誠さん…」 バスルームの中では音が大きく響く。 檜の浴槽にはまだ二人共入れていない。 その手前で始まってしまった。 後ろからガツガツと腰を大きく振られている。二人の息遣い、肌がぶつかる音、粘り気のあるローションの音、風呂場の水の音、全部が大きく響き渡る。 千輝の身体を準備している途中に盛り上がり、始まってしまったが、バスルームのどこからかローションが出てきた。十和田が置いておいたことは間違いない。後で問いただせねばと頭の隅で考える。 「千輝…達きそうか?」 千輝はすぐに達きたくなくて、自身のペニスの付け根をギュッと抑えていた。だけど、激しく後ろからペニスを抜き差しされてもう堪えられなくなっていた。 「ダメ…手を離したら…いきそう」 「いけよ…ほら、千輝」 腰を掴み直されて、揺さぶられる。奥深く突かれてグリグリと腰を動かしている。 左手で乳首を掠めて触られた。グニグニと乳首を擦られた後、キュッと摘まれれ、少し引っ張り上げるように意地悪される。 「やっ…やぁ…あああん、いく…」 千輝が手を離した瞬間、ビュッと射精しバスルームの床にパタパタと精子が溢れた。 それを見た十和田の腰使いが更に激しくなる。掴まれている腰に、十和田の指が深く食い込み気持ちがいい。好きな男から激しく求められ、少し乱暴に奥を突かれるのも好きだ。 「千輝、中に出すぞ…」 中に出すと言われると胸が高鳴り、興奮してしまう。十和田を全身で受け入れるのが嬉しいのかもしれない。 ぐちゃっと大きな音ひとつが響き、十和田は千輝の奥深くに放った。達した後も腰を何度か振っている。千輝は奥が熱く感じ、濡れていくのがわかった。 「千輝、愛してる…」 背中にキスをされる。 ◇ ◇ 「や、もう…ダメ…出ない…」 「…そんなことないだろ?ほら…」 あれからもう何度目だろう。もう出ないって言ってるのに、今度はベッドの上でまだ十和田は元気に千輝に覆い被さっている。 さわさわと千輝のお腹を十和田は撫でている。ここに十和田のが入ってると意識させるような触り方は、いやらしく興奮する。 「自分でしてみて…ここ、気持ちいいか?」 「や、や、やあぁん…見ない…で」 自分でやれと言われ千輝はペニスを握る。恥ずかしいから目を背けたいのに、握る手は気持ちがよくて離せない。 千輝の足とふくらはぎに十和田はキスをしている。そんなところにまでキスをされると尚更気持ちがいい。 「見るなって、そりゃ無理だろ。あぁ、ヤバい…千輝の中が気持ちいい…」 もう出ないと思ったのに、達きそうになってしまう。十和田が気持ちよさそうに腰を振っているのを見てまた興奮してしまう。 ビキッと中に入っている十和田のペニスが大きくなった気がした。入り口まで引き抜かれるとカサが張っているので引っかかり、また奥までゴリッと力強くペニスを押し込まれた。 「ダ、ダメ…やぁ…ああん…」 ピュッと千輝の腹に少量の精子が漏れた。達っているのに、出る量は少ない。 「俺も…いい?達きそう…」 十和田が千輝の足を抱え、奥を突き上げるようにし、最後は腰をグリグリと押し付けられた。 ゴムを付けているが、ドクドクと十和田のペニスが千輝の中で動いているのがわかる。大量に精子が出ているのが想像できる。 「もう…抜いて」 「もうちょっと…」 「ダメ!抜いて!」 バケモノみたいな体力の持ち主とこれ以上付き合っていられないと、千輝は大きな声で十和田を叱る。その自分の声が腰に響いた。 「いたたた…もう、腰が痛くなる」 「大丈夫か!」 ずるっとペニスを引き抜いてくれた。引き抜かれたペニスをチラッと見るとまだ大きくなっている。少し大袈裟に腰が痛いと言っていないとまた始まりそうだ。 「ほら、ゴムとって捨てて…ベッドも…シーツ変える?えっ?今、何時?」 そうだ、今日は大晦日だった。年越しそばの用意をしてあったはずと思い出す。 後、一時間で新年に変わると確認出来た。 千輝は焦って裸のままベッドルームを飛び出す。腰が痛いと大袈裟に言ったばかりなのに、素早く動ける姿を披露してしまう。 後でまた何だかんだ言いながらベッドに連れてこられてしまうなぁと、苦笑いした。 「シーツは後で変えるから!とにかくお蕎麦!年越しそば食べましょう」 バスルームに飛び込み、シャワーを簡単に浴びる。途中、十和田も入ってきたが、シャワーの水をじゃばじゃばとかけてやって、抱き合う雰囲気をぶち壊した。 そうしないと、何度でも十和田は抱きしめキスをして雰囲気作りに率先してしまう。 それも上手い。雰囲気作りが上手いのだ。何度その雰囲気に流されたことか。 「大誠さんも、シャワー浴びてからキッチンに来てね!年越しそばにするから。それと日本酒飲む?」 「おお!日本酒か!すぐ行く!」 日本酒で釣れたと、バスルームを出てひとりで笑いながらキッチンに移動する。 事前にお酒を買っておいてよかった。 こんな慌ただしい年越しは初めてである。 それに、好きな人と過ごす年越しも初めてだった。

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