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ご懐妊

「ようやった!」 清麗院は務めを終えた碧の話を添い寝から耳にし満足気な表情を浮かべ、碧を労った 「子を成すまで夜毎に上さまは御渡りになり、おまえを召される」 「はい。清麗院さま」 「ありがたきことと賜り、上さまを満足させよ。寵愛を受けその懐に寄り添え」 「仰せのままに」 渡りが数回に及び、碧の艶が増してきたころ…兆しがやってきた 「うっ…」 「碧さま?もしや…御台さまーっ」 お小姓のひとりが叫びをあげた 「ご、ご懐妊の兆候にございます」 「まことか!これ、侍医をっ」 バタバタと慌ただしくなり碧は侍医の診察を受けた 「まことにめでたきことでございます。ご懐妊とあいなりましてございます」 「子が…子ができたのですか!?」 碧は手で腹を覆い、涙を流した 「ここに上さまのお子が…。御台さま…授かりました」 「だが…これからが勝負だ。無事に産めるか…産めたとして…姫さまでは目的が果たせぬ。しかしまずは養生せよ。大事に」 「はい」 ・ ・ その晩、碧は善仁の頭を膝の上に乗せ悦びを分かち合っていた 「善仁さま?善仁さまのお子が…」 「聞いておる。ややができたとは…めでたい。が、しばらくそなたの体に触れれぬとは…切なくも思う」 そっと善仁は碧の腹を撫でた 「おまえが出てくるのを楽しみにしているよ」 優しい口調に碧は心より笑みを浮かべた

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