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謀反
順風満帆に思えていた碧の懐妊だが暗雲が立ち込める、、
その日、事件は起きた。
「…っなんだか…苦しい…」
「どうしたのだ?」
「御台さま…なんだかおかしいのです…。腹が…痛…痛い」
碧はその場にうずくまり、腹を抱えて呻き声をあげドサっと畳の上に崩れた
「碧っ」
清麗院が駆け寄ると碧の下には真っ赤な血の海が広がっており、清麗院は落胆の色を浮かべ唇を噛んだ
・
「流れた?」
碧は力無く目の前にいる侍医に聞き返した
「はい…残念ではありますが…」
「何故っ、何がおこった」
清麗院は侍医に掴みかかる勢いで尋ねた
「分かりませぬ…急に陣痛がおこり、子宮口が開いてしまったようにございます」
「なんだとっ。誰かが謀ったか!調べよっ」
・
・
「御台さま…これが」
しばらくして奥内を調べて異変を見つけだしたお小姓が赤い薬包を手のひらに乗せ震えながら清麗院に差し出した
「碧さまの寝所より見つかりました」
「碧、これに見覚えは?」
「それは…御腹様、側室の秋乃さまからの賜り物で栄養剤にございます。貴重ゆえ黙っているよう言われていましたが」
「栄養剤!?」
清麗院は包みを破きチロリと粉を舐めた
ビリビリと痺れる舌に清麗院は包みをあたりに放った
「み、御台さまっ」
あたりが騒然とする
「これは栄養剤などではないっ。秋乃を捕らえよ…っ謀反だ。恐るべき重罪ぞ!上さまの御子を殺めよった。早よう秋乃を探し私の前に差し出せ…っ」
清麗院の叫びがあたり一体に響き、碧は喪失感と事の重大さに怯え一言も発せずただ激怒する清麗院を眺めていた
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