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秋乃ほくそえむ

捕らえられた秋乃は白を切っていた 「知りませぬ」 「しかし、おまえが与えたものなのであろう」 「ですから私ではありませぬし、そんなものは知りませぬ」 パンと音を立て包みを放り捨てた 「碧がそう申すのだぞ」 「そのような卑しい身分のあがりのものと、誉れたかき身の私の申す言葉がどちらが重いか…御台さまであればお分かりでしょう?」 「秋乃っ」 「おー…怖。あまり大きな声を出されますな。私の腹のややがびっくりされてしまう」 「なんだとっ」 「次こそは御部屋さまとなることを上さまとお約束しましたゆえ、身に障るので失礼させていただきます」 秋乃はお小姓を引き連れ去っていった 「やられた…」 「清麗院さま…」 「あやつは目の上のたんこぶよ…これまでに3人のややを成した。すべてが姫君さまではあられるが…お腹様の筆頭じゃ」 「オレが…至らぬばかりにごめんなさい」 「よい。証拠がないのだから。しかし…あちらが懐妊となるとまたこちらにも勝機がある。まだ上さまからの寵愛は薄れておらぬ今ならまた召されることになる。その時こそ孕むのだ」 「まだ流れたばかりで…」 「おらぬ子に思いを寄せるな」 「清麗院さま…」 「無慈悲と思うか?」 「はい」 「仕方あるまい…世継ぎを残してこその大奥だから。すべてを統べるもの…それがαである上さまに仕える私たちの宿命だ」

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