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第2話
「僕と三人の愛人 二人目-彰人さん」
今度の人は逆の立場。僕・環紬(たまき つむぎ)は普段言いなりでされるままなんだけど、されるほうじゃなくてするほうだったりする。
彼の名前は嶋彰人(しま あきと)さん。一見すごく強面でみんな近寄りたがらないんだけど、実はされたい人。僕は見るからにされる側って人間らしいんだけど、ご指名があって彼の相手をすることになった。
「僕…でいいんでしょうか」
最初は恐る恐るそんなことを言ってみた。
「君だからいんじゃないか。是非お願いするよ」
「………はい……」
はっきり言って自信はなかった。だって怖すぎるんだもん……。だけど強いご希望で僕となった。
●
「あの。何をどうすればいいのか……。僕いつもされる側なので分からないんですが……」
「抱いてくれればいい。俺は女子じゃないけど…そんなふうに…………」
うつむきながら、耳まで真っ赤にしながら言われるとホント返事に困る。だけど何もしないわけにもいかないから言われるままに抱いてみる。
彼と僕との年の差は十歳くらい。強面な上に優しくされたい男子・彰人さんは、これ以上僕との差を広げたくなくて年齢とか教えてくれない。だからおおよそなんだけど……。
まあそんなことは、はっきり分かろうが分かるまいがどうでもいいんだけど。
僕は極めて優しく彼を抱きしめてキスをした。
「こう……?」
「うん…………」
「こうされるの……好きですか…………?」
「ああ…………」
硬く逞しい背中に指を這わせながら唇を舐めたり重ねたりしてみる。
まだ会ったばかりの彼だけど、彼のほうは僕をある程度知っている。って言うか、こんな子がいいと言ってあげられた男子の中から僕を選別したのだから、ある程度と言うことだ。
彼は僕より一回りほど大きいしガッチリとしている。例えて言えば組の若頭的な雰囲気がある。こういうタイプの相手は初めてで、加えて今夜は僕がしなくちゃならないと言うことで、ちょっとばかり緊張もしていた。
場所はホテル。
ちょっとばかりいいランクのホテル。だから調度品もいい感じの品のあるもので、明かりは薄暗くしてある。そして今僕は広いベッドに腰掛けた彼の上に跨っている。キスをしてからスーツの上着を脱がせて肩を押す。パフンッと倒れた彼の上に覆いかぶさるとネクタイを解いてシャツを開く。僕は彼の素肌の胸に触りながら彼の反応を確かめてみた。両方の手で指で彼の胸板を触る。脇に手を這わせるとビクンッと体が揺れた。脇から脇腹に余分な肉がついてないソコを触りシャツを引き抜くと乳首に舌を這わせる。
「んっ……ん…………」
「感じる?」
「ああ…………ぁ…………」
「ここ、舌で弄られるの好き?」
「ああ…………」
「好き?」
「……好き…………」
「そう……」
ふふふっ……と笑いを含んだ声を出しながらも舌使いは止めない。僕は舌先を使ってレロレロと彼の小さな突起を転がしたり吸い付いたり、逆にガシッと噛んでみたりして楽しみながら彼の吐息が乱れるのを確かめた。ベッドの上の彼が僕の下で、まるで少女のように顔を赤らめて喘いでいる。股に座り込んでいる僕は自分の股間で彼の変化を実感していた。
まったく熱くなっちゃうよね……。
出来れば入れて欲しかったんだけど、彼はあいにく僕と同じ立場。入れられて善がるのを待ちわびている男だったので告げる。
「今から脱いで。僕の前で全部脱いで尻の穴を晒して見せて」
「………………分かった……」
鼻をふくらませながらそんな言葉を出していた。彼も答えたものの恥ずかしそうだ。それがまた新鮮でなんとも言いようがなくなる。僕は彼が脱ぐのを見つめながら自分はどうしようかと思う。だから少し考えたけど、ここで自ら脱いじゃあ面白くないかと思ったりして、彼が脱ぎ終えた時「脱がせて」と声をかけて全てを脱がせてもらった。
「スベスベしてる……」
「そうですか?」
「綺麗だ……」
「それはどうも」
服を脱がせてもらってから愛おしそうに素肌を撫でられてちょっとだけ照れる。彼はもしかしたら僕みたいなこんな姿に憧れてるんじゃないかとも思ったりするけど、あえて聞きはしなかった。
「厳しくして欲しい? それとも優しくして欲しい?」
「……厳しく……。君みたいな可愛いコから厳しくされたいんだ…………」
「OK。じゃあ、彰人。まず正座しようか」
ベッドの上で裸の彼を正座させて股間を足で踏みつける。
「お前はさ、僕みたいなナヨナヨしたヤツにこうやっていたぶられるのが好きなんだ」
「………………」
「答えられないの?」
「すみませんっ。好きですっ……」
「ふんっ。……そんなにガタイいいのにな…………」
「すみませんっ」
彼は正座をしながら俯いて耐えているように見えた。僕はそれを見ながらも足に当たる彼のモノが確実に変化しているのを感じ取り、また「どうしようかな……」と考えていた。そして彼には僕の前で脚を開いて自慰行為を見せるように強要した。ちょっと戸惑いながらもけして嫌とは言わない。彼は目を伏せて自ら脚を開きモノをしごきながら、もう片手で尻の穴を撫でていた。僕も彼の前に陣取り彼の行為を見つめながら自らのモノをしごく。だけど本来されるほうが得意な僕なので、初めてと言うのもあって潤いが欲しいと思った。
「続けて」
「はぃ……」
彼には行為を続けるように命じて自分のカバンからローションを取り出す。自信がなかったから持ってきたものだけど、どうやら持ってきたのは正解だったらしい。ベッドにあがって再び彼の前に陣取ると、しごいているモノにローションを垂らす。すると下の穴にも流れこんで彼の指が穴を撫でているだけじゃなくてツプッ……と入り込んでいくのが見て取れた。
「根本まで入れて」
「はい…………」
しっかりと彼の指が秘所に沈むのを見ながら僕自身もローションの力を借りてモノをしごく。尻の穴がヒクついたけど、今回出番はないから触らない。
「もう一本、入れて」
「は……はぃっ…………」
ズブズブと出し入れされる彼の手の動きを見つめながら勃起する自分のモノをもっとその気にさせる。射精しそうでしない彼のモノをしごく手を跳ねる。
「ぁっ……」
「もういから。自分で開いた脚持って」
「はぃ……」
ちょっとまだもう少し……なんて気持ちの時に、それを断ち切って入れてもらう体勢を取らせる。ヒクつく尻の穴に向かって突進するばかりに自らのモノをあてがうと真正面から彼を見た。
「僕は今、お前の尻の穴にモノを押し当ててるんだけど、これからどうして欲しい?」
「……」
「入れてほしかったらお前の口で言わなきゃ無理だよ?」
つまりちゃんと希望を言えと相手に促す。すると彼は間髪入れずに哀願してきたのだった。
「あなたのモノを入れて欲しいですっ。いっぱい……いっぱい欲しいので…………奥まで攻めて欲しいですっ。お願いしますっ」
「………………いいよ。しっかり脚開いててね」
「はいっ……!」
彼はとても嬉しそうにそう返事をすると高揚していた。僕はそんな彼を見ながら彼の中に自分を埋没させる。
「っぅ……ぅ…………」
「ぁ……ぁぁ…………んっ」
快楽の声を聞きながら思ったよりも肉の抵抗を感じる。それでも奥へ奥へと身を進めると、腰を使って中をかき混ぜた。
「あんっ……んっ…………んんっ!」
「お前も腰を振れっ」
「は……はいっ……! はっ……ぁ……あんっ…………!」
「ちっ…………」
彰人の見事なまでの破廉恥具合に思わず悔しくて舌打ちをしてしまう。だけど逆にこの人のこんな姿を見られるのは僕みたいなヤツだけなんだろうな……と思うと口元が緩む。お互いに嫌ってほど腰を動かして僕は彼の中で果てた。彼も喘ぎに喘いで自分の腹の上にところてん状態で果てていた。まだヒクヒクして至福の表情をしているけれど、こんなんで終わらせちゃあつまんないな……と、もう少し続ける決心をする。僕は彼の中からモノを引き抜くと初めて男の中に入って果てた自らのモノをしみじみと見つめた。そんなに悪い経験じゃなかったように思う。
月一だし……。
だけど僕はもっと勉強して彼を喜ばせなくちゃならないと思うと大丈夫かな……と弱気にもなる。
「時間。まだ大丈夫ですか?」
「ぁ……ああ…………」
「じゃあ、続けますね。四つん這いになって。偽物入れます」
彼は言われるままノロノロと動くとベッドの上で四つん這いになっていた。それを横目で見ながら僕はカバンを引き寄せる。そして開いたカバンの中を見つめながら、どれをチョイスしようかと考えを巡らせた。彼はベッドの上で四つん這いになっていた体をユルユルと崩し、次第に尻だけを突き上げるような形になっていた。感じとしてはトロン……となっていると言った感じ。満足しているならそれでいっか……と尻の肉を開く。するとソコからは僕が出したモノがトロトロと流れてきた。イタズラに指を突っ込んで中を刺激すると「ぁぁぁ………っ…」と甘い声があがる。
「結構ユルいね。持ってきたので間に合うかな……」
なんて意地悪を言いながら偽物にローションをたっぷりつける。そしてヒクヒクしている彼の秘所にソレをあてがうと迷わずにググッと押し入れた。
「あああっ…………! ぁ……ぁ…………」
ちょっと太めの男根だったから抵抗感はあった。だけどユルユルじゃあ意味がないからちょうどいい大きさ太さだと思う。グググッと奥まで入れると、それようのベルトで固定する。そうしておいて四つん這いのままこちらを向かせると僕は膝立ちで彼を見下ろした。
「お手」
「……」
「お手だよ、ポチ」
そう言って手を差し出すと、戸惑いながらも彼は手に手を重ねてきた。
「よしよし、いい子だね」
「………………ワンッ」
やっとこっちの意味することがわかったかのように、そう答えた彼はその瞳をウルウルさせて僕を見上げてきた。
「じゃあ尻尾を振ろうか」
「ワンッ!」
了承を得てリモコンのボタンを押すと偽物の男根が彼の中で動き出し、同時に彼の体もビクビクッと小刻みに動いた。
「気持ちいいか?」
「ぅ…ぅぅ……ワンッ!」
「じゃあ、そのままの姿勢で僕のを咥えて」
「ワンッ」
「いい返事だね」
それは本当にそう思った。彼はもしかしたら犬語のほうが素直に意思表示が出来るんじゃないかと思った。さっきまで自分の中に入っていたモノだっていうのに、彼は抵抗なく僕のモノを口に含んだ。そうしておいて賢明に舌を使って奉仕している。
「もしかしてこういうの好き?」
「ワンッ」
くぐもった声で即座にそう答えるあたり、かなりかもしれない。僕は彼にモノをしゃぶられながらリモコンのボタンをもう一段階アップして楽しんだ。
「ぅぅぅぅ…!ぅ! ぅ!」
「歯を立てちゃ駄目だよ?」
「ワンッ」
快楽と戦いながら彼は必死になって 僕を気持ち良くしてくれようとしている。その姿が健気って言えば健気なんだけど、何となくそんな姿を見ると「もっと」って思っちゃうのは何故なんだろう。もしかしたら僕がやって欲しいのかもしれないな……なんてちょっと嫉妬しながら、もっと楽しみたくて彼の口にグイグイッとモノを押し込む。
「グッ…ううっ…!」
「どう? こんな感じ、好き?」
「っぐぐ……」
嗚咽を漏らしながら、なかなか答えることが出来ないでいる彼に僕もやっとにこやかになる。
「もっと腰を振って。さっきのところてんはいい出来だったからもう一度ね」
「っぐぐ…!」
喉の奥を突くようにモノを突っ込んでは出す寸前までを繰り返す。
「っぐぐ…ぐぇっ…っ…ぐぐぐっ……!」
涙と涎と鼻水を垂れ流しながら、それでも僕の欲求に答えようと努力する。尻を振っているのは無意識なんだろうけど、それがまたエロくて良かった。彼は僕に言われた通り、自分のモノには手を触れずに身を震わせてまた果てた。僕も彼の口にまた出したんだけど、それはちゃんと飲み干してもらった。果てても四つん這いの姿勢は解除させない。尻を突き出す格好のまま振動を与え続けた。
「あああっ…ぁ…ぁ……!」
両足がモジモジともどかしそうに動き出す。僕はそれを放っておいてひとりだけシャワーで体を綺麗にした。
綺麗になったから気持ちがいい。ガウンを身につけながら部屋に戻ると彼は必死に股間をシーツに擦りつけていた。
「そんなことやっていいって言った覚えはないんだけど」
「す…みまっせん……。でも」
「言い訳はいいよ。もうぅぅ。せっかく綺麗になったって言うのに……」
僕はもう帰ろうかと思ってたんだけど、どやらうもう少し時間がかかりそうだ。カバンから紐を取り出すと、彼にチンチンの姿勢を取らせてモノを袋ごとキツく縛り上げた。縛られる時の彼の表情は最初こそ怖がっているようだったが、縛り終える頃には恍惚としていた。
「勝手に射精しようとするなんて許さないよ」
「すみません……」
「仕方ないな……」
せっかく綺麗になったって言うのに、また相手しなくちゃならない。僕はまたガウンを脱ぐと彼を仰向けに寝かせて四肢をベッドに縛り付けた。その間も彼の中のバイブはOnにしたままだった。そうしておいて縛り上げた股間のモノを中心にローションを垂らす。何をされるのか、ちょっとビビっていた彼だけど、僕がこれからどうするのかをワクワクしていた節もある。僕は手のひらや指先でそのローションを体中に広げた。そして広げながら色んなところを撫でて触って、時には摘んだりして楽しんだ。
「ぁぁぁ……お許しくださいっ。もう……もう勝手に射精いたしませんからっ」
「気持ちいい…の間違いなんじゃないの? お前のココ、膨らんで膨らんで痛くてしょうがないみたいだけど」
「ああ……はいっ。痛いっ。痛いですっ。でも気持ちいい……!」
ビクビクッとソレが単体で返事をするかのように揺れていた。僕は「あー、彼は本当のマゾなんだ」とも思った。
体中ニュルニュルになりながらヒクつく彼の顔の上に腰を落とす。僕の尻の穴を舐めさせて、顔に射精すると立ち上がる。
「もう終わり」
「ぇ…も、もう?」
「……ずいぶんサービスしたと思うけど」
「あ、あのっ……! また、頼んでもいいですか?」
「契約するの?」
「はいっ!」
「いいよ。でも僕基本月1だからそっちの身が持たないんじゃない?」
「え?」
「射精我慢出来るの? せいぜい月2くらいにしないと」
「じゃあ月2で!」
「高くなるよ?」
「構いませんっ」
「……いいけど……」
まあ儲かるからいいか……と彼をそのままにしてまたシャワーを浴びる。今度は裸のまま出て洋服を着ると、やっと相手の拘束を解いた。
「じゃ。ありがとうございました。またのご贔屓を」
ペコッと頭を下げて踵を返すと道具のことを問われた。
「あのこれ……」
「ああ、料金の内ってことで。捨ててください。次にはまた新しいの持ってきますから。いいですか? くれぐれも大切に取っておこうとか思わないでください? 僕、不衛生なの嫌いなんで」
「わ…分かった………」
「では」
カチリと自動のロックがかかるのを耳にして、僕はエレベーターを目指す。
「あーあ、お尻が寂しいな」
終わり
「僕と三人の愛人-二人目彰人さん」
20170805
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