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第14話 真相を知るとき

 その日のスケジュールを終え、網埼家をあとにして、最寄駅へ向かう途中で志水は呼び止められた。 「あのー、志水さん、でしたよね? 智流の家庭教師をしている……」  おずおずと言った感じで声をかけてきたのは、さっき智流を訊ねてきていた友人の一人だった。 「ああ。……君は確か……」 「高安です。智流とは親友で……」 「高安くん、帰ったんじゃなかったのか?」 「駅までみんなと一緒に行って、ちょっと用事があるからって引き返してきたんです。智流のことで、その、ちょっと話したいことがあって……。あいつ、志水さんにすごく懐いているみたいだから……」 「え?」 「智流、時々オレにメールをくれるんです。で、この頃あいつのメールは志水さんのことばかりだから」  高安の言葉に志水は少なからず驚いた。今日の智流の様子を見て、友人たちとは完全に没交渉になっていると思っていたからだ。 「だから、オレの話を聞いてもらうなら、志水さんしかいないかなって思って。いいですか?」 「勿論」  ――そして、志水は智流の不登校の理由の真相を知ることになるのだが、それはなんとも厭な……吐き気がするくらいに、おぞましいものだった。

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