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第15話 真相を知るとき②
高安から話を聞いた次の日、志水は大学を休んで、智流の家へ行った。
家庭教師の日じゃない突然の訪問に、智流は少し驚きながらも喜んでくれた。
前日の憂い顔から少し笑顔も戻っている。
この笑顔の裏で、智流は大きな苦しみを抱えているのだと思うと、痛々しくてならなかった。
「志水先生、どうしたの? なんか元気ない?」
自分も屈託を抱えていながら、志水の心配をしてくれる智流の優しさが愛おしい。
だからこそ、救ってあげたい……君を。オレにはなにができるだろう?
「智流くん……、昨日、高安くんがね、話をしてくれたんだ」
志水がそう話し出した途端、智流の笑顔が凍りついた。
昨日、高安から話を聞いたことを智流に打ち明けるべきかどうか、志水はすごく悩んだ。
結果、心の中にある屈託を話すだけでも、苦しさは少しは楽になるのではないかという結論に達した。
自分が智流の苦しみを一緒に抱えてあげたいと思ったから。
「彼は君が学校に来なくなる前日の放課後、君のことを見かけたらしい」
「…………」
「辛かったね……、智流くん」
志水がそう言った瞬間、智流の大きな瞳に涙が溢れた。
細い指が志水のシャツに伸ばされ強く握りしめた。
「……志水先生、僕のこと嫌いにならない?」
「どうして、君を嫌いになるんだ?」
「だって、男の人にいやらしいことをされるなんて、僕……」
……智流は副担任のマスダに一方的に好意を寄せられ、いたずらされかかったらしい。
それが高安が話してくれた内容だった。
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