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第47話 告白②

 智流は志水の濡れたジャケットを握りしめ、言った。 「志水さん……、本当に? 本当に志水さん、僕のこと、好きって思ってくれてるの?」 「智流……?」  てっきり拒絶が来るものと覚悟していた志水は、少し戸惑ってしまう。 「……僕も志水さんが好き……誰よりも好き……」  雨音に消されてしまいそうな小さな声だったが、智流は確かに、志水を好きだと言ってくれた。 「智流……、君はオレが怖くないの? オレも……マスダと同じ、男だよ?」 「違うっ! あんなやつなんかと全然違うっ。マスダなんかと自分が同じなんて言わないでっ」  智流は今度は珍しく激昂し、更に強く志水に縋りついてくる。  志水は信じられない気持ちで、智流の細い体を受け止めた。  智流もオレのこと、好きだって思ってくれてる? 本当に?  ……それでもまだ志水の心には屈託が残る。 「智流、オレは君に色々なことしたいって、そんなことも考えてるんだよ……? もし君がオレの心の中を読むことができたら、嫌いになるかもしれない」  そう、思いが通じ合えば、いつまでもプラトニックな関係では我慢できない。  今までだって、何度智流を思って自身を慰めたことだろう。  この頼りなげな少年に、そんな生々しい欲望を持ってしまうのは、とても罪なことのような気がして……。

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