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第64話 イブの夜は甘く……④
「かわいいな……智流……」
「あ……」
志水は智流の耳朶を甘噛みしながら、彼の手を取ると、自分の昂ぶりへと導いた。
なめらかな手のひらの感触に、志水の雄が脈打つ。たまらない快感に志水の口から吐息が零れた。
初めての行為に震える智流の手のひらの上へ、志水は自分の手のひらを重ねると、
「智流、ゆっくりと手を動かして……」
彼の手を導いてやる。
「あ……、こう、ですか……? 志水さ……」
智流は熱に浮かされたような声で言いながら、ゆっくりと志水の勃起を華奢な手で擦りあげた。
「んっ……智流……」
愛する人に昂ぶりを愛撫されて、感じ入った吐息が何度も零れ落ちる。
智流は大きな瞳を潤ませて、志水を見つめている。志水の手に導かれるままに、徐々にその動きは早さを増して……。
「智流……」
拙いながらも一生懸命に手で愛撫を繰り返す恋人の耳元へ、志水は囁きを吹き込んだ。
「智流……、愛してる。君と一つになりたい……」
「志水さん……」
初めてのセックスに怯えながらも、快楽に呑み込まれ、智流の瞳が虚ろに揺らめく。
志水は体をずらすと、再び熱を取り戻し勃ちあがっている智流のそれを口に含んだ。
「やっ……、志水さん、なに……」
智流が狼狽をあらわにし、体をずり上げて逃れようとする。
志水は彼の両手をベッドへ押さえつけて、そこへの愛撫を続けた。
「あっ……、ああ、あっ……」
智流は体を大きく震わせて二度目の絶頂へと昇りつめた。
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