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第66話 イブの夜は甘く……⑥

 志水は、智流の汗ばんだ額と涙が溢れる目元にキスの雨を降らしながら、指を二本に増やすとゆっくりと抜き差しを始めた。  どうしても体から力が抜けきらない智流だったが、志水の二本の指が奥深くのある部分を擦った瞬間、ストンと一気に力が抜けた。 「……ここなんだ? ここが智流のイイところなんだね……?」 「あっ……ああ……、志水さん……」  二本の指でより激しく抜き差しを繰り返した。彼のイイところを中心に何度も突き、擦りあげ、攻め立てる。 「やっ……ああっ……あっ……ああ……」  智流は今や声を抑える余裕もなくし、艶めかしい声を部屋中にまき散らしている。智流の激しい善がりように志水の興奮も弥増し、我慢も限界になる。 「智流……、も……入れていい……?」  余裕をなくした掠れ声で問うと、智流は快感にとろんとした瞳で見つめてきて、小さくうなずいてくれた。 「志水さん……好き……」 「智流……」  もう一度口づけを交わしてから、志水は勃起した自分の雄を、指でじっくりとほぐした智流の小さな場所へとあてがった。  智流の細い腰をしっかりと手で支えて、ゆっくりと勃起を彼の中へと挿入していく。 「いっ……」  指とは比べものにならない大きさと力強さの雄の侵入に、再び智流の体が強張った。 「智流……、息を止めないで。深呼吸して……」  囁きながら少しずつ智流の中に体を進ませ、なんとか根元まで勃起を沈めた。  智流の中は熱く志水の雄に絡みついてきて、すさまじい快感を与えてくれる。  すぐにでも動いて、もっともっと智流を感じたいが、ポロポロと大粒の涙を零し、きつく眉を寄せて痛みをこらえている彼を見ると、そんなことはできない。  志水は自分の快楽だけを追いかけるつもりはなかったから。智流と一緒に感じ合い、快楽の時間に身を任せたい。  志水は智流の体を抱きしめたまま動かずに、キスと囁きを繰り返した。

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