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第67話 イブの夜は甘く……⑦
「智流……、体から力抜いて。さっきと同じように大きく息を吸って、吐いて……。好きだよ、智流……愛してる……」
志水の愛の囁きに、智流は目に涙をいっぱいためながらも微笑み、言われた通りに深呼吸を繰り返した。
智流が大きく呼吸する度、彼の内壁が収縮し、志水の雄にダイレクトな刺激を与える。
志水は智流の中をめちゃくちゃに突き上げたい衝動を今はこらえた。智流と一緒に快楽のときを迎えるために。
やがて少しずつ智流の体から強張りが解けていき、苦痛の表情も和らいで行く。
志水は今一度、智流の中心に手を伸ばし、彼のそれを愛撫した。智流の中がよりいっそう志水に絡みつき、締め付けてくる。
「志水さん……好き……愛してる……」
智流が熱っぽい声で囁き、潤んだ瞳で志水をじっと見つめてきた。
その瞬間、志水の中で、完全に欲望が理性を凌駕した。
智流の体の奥深く、先ほど指でさんざん刺激した彼のイイところを、志水の雄で思いきり突き上げる。
「ああっ……、志水さんっ……」
智流が大きく体をのけ反らせて、善がり声もあらわに乱れまくり、愛液をまき散らした。
彼が絶頂を迎えたとき、内壁はきつく志水を締め付け、あまりの快感の大きさに頭が真っ白になる。
「智流……智流……」
うわ言のように名前を呼びながら、志水は恋人の中を己の凶器のような雄で、何度も何度も突いた。
「ああっ……、やっ……志水さ……、も……だめ……、ああっ……」
今や智流の声には欠片ほども痛みの色はない。快感の涙を零しながら志水へ縋りついてくる。
得も言われぬ快感と幸福感。心から愛する人とのセックスは体だけでなく、心をも満たすのだと、智流と抱き合って志水は初めて知った。
ベッドが激しく軋む音、二人の喘ぎ声、一つに繋がった場所から聞こえる淫らな音。
志水と智流は押し寄せてくる快楽に呑み込まれ、時間を忘れて愛し合った。
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