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第10話「答えをください」

 ランプの炎が揺れ、銀の髪を照らす。  今の拠点は夜になると完全に真っ暗になっちまうから、セックスの時でも遠くに置いたランプは消さないことになった。 「あっ、ァ……うっ、あぁあっ」  オレの腹の上で、神父様の綺麗な身体が跳ねる。  腰に手を添えて下から突き上げると、ひときわ高い声が暗い部屋に響く。 「ぁあッ! 」 「ココ、好きっすねぇ」 「……ッ、い、言うな……っ! んぅうっ」    毎日のように抱いていると神父様の弱いトコは分かってくるし、オレに抱かれるたび神父様はどんどんエロくなる。  ぐちゅ、ぐちゅと音を立て、オレのイチモツが神父様のナカをかき回す。 「……は……、いつでも、イッて、良いっす、よ……っ!」  小刻みに突き上げつつ、引き締まった腰をなぞり、腿を撫で回し、神父様がイくのを待つ。  神父様は背を仰け反らせつつ、自ら深い部分にオレを受け入れる。  胸元でロザリオが揺れ、じゃらりと音を立てた。この体位だとかからないってんで、肌身離さずつけとく方を選んだらしい。 「あ……っ、アッ、はぁっ、はげ、し……う、ぁあっ!」  突き上げるたびに喘ぎが漏れて、オレの方も限界が近づいてくる。  ナカじゃなく口に出さないとだから、奥を一突きしてからずるりと抜いた。 「あぁッ」 「もう……っ、出ます……!」  神父様の後孔が、名残惜しそうにひくつく。  神父様は胸元のロザリオを気にかけつつ、汚れないよう握り締めてからオレのブツを口に含んだ。 「ぅ……あっ、出る……っ!」 「……っ! ふっ、ん……んく……」  零さないように自分から喉奥に咥え込み、神父様はオレの精を一滴残らず胃に収めようとする。  あの神父様が一生懸命オレのを……しかも苦手な喉奥にまで頬張っている事実がヤバくて、いつもよりちょっと多めに出た。  ずるりとイチモツを引き抜くと、神父様は軽くむせつつもどうにか全部飲み下してくれる。  赤い瞳がいつにも増して蕩けていて、出したばかりのブツもすぐに元気になり始めた。 「……まだ、イかせてなかったっすね」  勃ち上がったままの神父様に、そっと触れる。  神父様はぴくっと震えつつ、オレの手の中で先走りを溢れさせた。 「チンコでイきたいっすか? ケツのがイイ?」 「……ぅ、あ、ぁ……っ!」  オレの手の動きに合わせて腰を揺らしつつ、神父様はなかなか返事をしない。  恥ずかしいのもあるだろうけど、弱ってるのもあるのかな。あとで、めいっぱい優しくしねぇとな……。 「……う、後ろが……疼く……」 「ケツ? じゃ、挿れますよ」 「な……っ、も、もう勃っ……!?」 「や、もう……エロすぎて……っ」  神父様が四つん這いになった状態で背後から挿れると、ロザリオが汚れないよう必死に握り締めているのが暗がりでもわかる。  奥の方にオレのをぶち込みながら、神父様のを手で握った。こうしたら、かからない……よな? 「く、ぅ……っ、ん、あ……ぁあっ!」 「……次は、ナカでっ、いいっすか……!」  耳元で囁くと、神父様の身体が大きく跳ねた。  精を欲するように、オレを咥えこんだソコがきゅうと締まる。  神父様はふるふると首を振り、喘ぎ喘ぎ「そとが、いい」とだけ伝えてくる。 「くッ……分かり、ました……! 子作り……はぁっ、今度に、します!」 「だ、から……っ、私はおと……あぅうぅうッ!?」  子宮口(じゃねぇけど)を突くように責め立てる。  神父様はがくりと項垂れてベッドに額を押し付け、しばらく、熱っぽい喘ぎだけが暗い部屋に響いた。 「ふ、ンッ……ぅ、あ、ぁあ……っ、お赦し、ください……! おゆるしください……っ」  赦しを乞う声でさえ、次第に快楽に飲まれていく。手の中が濡れていることに気付いて、神父様がとっくにイッていたことを知った。  あ、これ、ダメだ。孕ませたくなっちまう。  何とかギリギリで理性を総動員して、秘処から抜く。  急いで惚けている顔のそばに持って行って、唇に先っぽを押し当てる。神父様は無意識か否か、すぐに吸い付いて舐め始めた。あー…………マジで可愛すぎる…………。 「ん……っ」  飲み切れなかった精液が口の端からたらりと溢れる。あんまりにも美味しそうに飲むもんだから、気になって舐めとってみた。  ……うわ、まっっっず……。  ***  神父様はしばらくぐったりとしていて、話しかけても上の空って感じだった。  頭を撫でつつ抱き締めると、振り払うどころか心地良さそうに目を細め、自分から身を寄せてきた。こりゃ、だいぶ参ってんな……。 「……今後のことを、考えねば」  やがて、神父様は小さく呟いた。 「明日でいいじゃないすか。今は休みましょ」 「だが」 「怪我の方、先に癒さねぇと」 「そう、だな……かすり傷とはいえ、銃弾を」 「いや、そっちじゃなくて……」  気付いてないみたいだから、こっちから胸の真ん中に手を当てる。傷痕に触れられて、神父様の身体がぴくりと震える。……うっかり勃ちかけたけど、無理させたくないので我慢した。 「もっと、見えないトコ。酷い怪我してんでしょ」  つう、と、透明な雫が灰色の瞳から滴り落ちる。  神父様は自分の口元を片手で覆い、ふいと顔を逸らした。  ……ああ、まただ。無理してる。 「オレ、そばにいますんで」  そう伝えると、かすれた声で「ああ」と応えてくれる。  胸と腹の傷痕にそっとキスを落としてから、また抱き締めた。今日は、振り払われる気配がない。  そのまま、神父様はオレの腕に抱かれて寝息を立て始めた。 「……はぁ……」  色んな感情が混ざりあって、言葉にならない。  どうしてこの人が、こんなに傷つかなきゃならない?  神様が本当にいるんなら、何を考えていやがる?  ……なぁ、神父様。祈っても泣いても助けてくれない薄情な野郎より、オレを見てくれよ……。 「……オレはアンタに愛されなくても、愛してやるよ。望まれなくても、護ってやる……」  何度も胸に刻んだ決意を、また新たにする。  腕の中で眠る、綺麗で愛しいお方。  クソみたいな世界の中で、アンタだけがオレの救いだった。  だから、次はオレがアンタを救うんだ。  ……なぁ、神父様。……救わせてくれよ……。

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