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まどわされて、うかされて 2

「あ、んっ、ん、あっ、あかりさ、んっ……!」  ばちゅばちゅと濡れた音が幾度も打ち付けられ、耳からも快感が煽られる。  イく、とシーツを握って体を丸め、そのたび頭は真っ白になるのに、なぜか解放はされなくて。再び押し寄せてくる快感になすすべがない。 「お、奥、そんなされる、と、火花が……っあ、だめ、それ……っ!」  普段はあんなに優しいあかりさんが、全然やめてくれない。  何度もイっている気がするのに熱はぐるぐるとお腹の中に溜まったままで、気持ち良すぎるのが怖い。  その恐怖で自然と逃げてしまう腰を強い力で掴まれ、勢いに任せるように打ち付けられると、その強引さにめまいがするほど感じてしまった。 「まだダメ」 「……っ!」  短い言葉と荒い息と乱暴ともいえるピストンと。  それだけであかりさんもまた欲に支配されるオスのアルファなんだと野性味を覚えて、ひどく興奮した。  イきたい、噛まれたい、もっとめちゃくちゃにされたい。  今まで感じたことのなかった欲望が次々に溢れだしてくる。  ああ、これがあかりさんの言っていた「欲しい」ってことか。   「出して、ああ、出してあかりさん……っ!」  あかりさんにも早く同じように感じてほしくて、しがみついて懇願した。するとあかりさんの手が手荒に僕のものを扱いて、追いつめるように擦ってきて。 「あっ、あ……ッ!」 「くっ……う」  体をこわばらせてイったら、あかりさんもやっと僕の中で果ててくれた。  でも次の瞬間には抱き起されて、緩やかに揺さぶられる。そのせいで、一旦治まったと思った熱がまだともってきてしまった。 「やらしい……」 「ん?」 「あかりさんがやらしい」  なんにも言わず即二回目を始めるなんて、絶対やらしい男だ。むっつりと言われていたのも間違っていない。  きっとまたすぐにそれどころじゃなくなってしまうからと、今のうちの文句を口にすれば、妙に可愛らしい顔で見られた。 「やらしい俺はイヤ?」 「やらしいあかりさん大好き」  答えは当然即答。  好きな人が気持ち良くしてくれる、それのどこに嫌な要素があろうか。  お褒めのキスをもらって、それだけじゃない気持ち良さをもらって、僕らの長い夜はそうやって始まった。

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