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世界で一番

「うぅ……ごめん、龍太郎。失敗しちゃった」 目の前のシチューであろう黒い物体に 涙目の相馬さん。  いつもはちゃんと出来るのに なんだか失敗したみたいだ。 そんなところも可愛い。  「いただきます」 「りゅ、龍太郎!無理しなくていいから!!」 そう言って止める彼を無視して ボクはシチューを口に含む。  「確かに、マズイ」 「う……」 「でも、相馬さんが作った料理。愛情が伝わるよ」 料理なんて味よりも 作る人の気持ち次第だとボクは思う。 それが相馬さんの料理とならば美味い 世界で一番。 「りゅ、龍太郎―――っ!」 泣きながらボクの胸にうずくまる彼は 世界で一番可愛い。  もしも、世界中の美人が一斉に言い寄ってきても 相馬さんを絶対に選ぶ。 世界が終わろうとも 相馬さんと散ってやるさ。 「相馬さん……」 「何?」 「今日は………寝かせたく、ないです」 顔を真っ赤にさせて呟くボクに 赤面する彼。  「いいよ………龍太郎なら…………俺……あげても」 そう言ってモジモジしだす彼に 理性の糸もあっさりと切れて ベットへ運ぶ。 もちろんお姫様抱っこという仕方で。  (それからは……まぁ…………愛したさ、相馬さんを)

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