15 / 21
あまりにも
あまりにも距離が遠すぎた。
「龍太郎、俺、陸と付き合うことになった。だから、その……アドバイスとか……」
出来るわけねぇだろ、あんたが初恋の人なんだから。
嗚呼、相馬さん。
貴方とボクは距離が遠すぎた。
ボクだけだったんだ、一方通行は。
「…………幸せになりなよ」
違う、こんなこと言いたいんじゃないんだ。
ボクは……ボクは……
「貴方が好きだ」
泣かないで、泣かないで相馬さん……。
ボクが悪い、今思いなんて伝えるから。
でも、伝えられずにはいれなかったんだ。
ボクはずっとずっと相馬さんが好きだった。
陸さんと知り合う前からずっと。
彼が寝ている隙に唇を奪ったことだってあった。
あの甘酸っぱい味が………………未だにボクを支配する。
「相馬さん、付き合わないでよ。ボクを……一人にしないで、ねぇ……」
なんて女々しいんだ、前までこんな奴じゃなかったのに……。
「ごめん……許してくれ……ごめん……」
彼の泣き声だけが部屋に谺する。
ごめん、好きになってごめん。
でも、大好きなんだ。
「…………俺は相馬さんを愛してるよ、ずっと」
叶わなくたっていい、側にいれれば……。
(あまりにも距離が遠すぎた………貴方とボクは)
ともだちにシェアしよう!