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side. Tamotsu
沈んでた気持ちを再浮上させ、
ふたり奥まった所にあるファミレスまで向かう。
とぼとぼ歩いて右手に目的地が見えてきた頃、
丁度その店から出て来る少年らと擦れ違い───…
「あれぇ~…お前、上原じゃね~?」
擦れ違う前に、5人組のド派手なその少年らに、
声を掛けられてしまった。
「…………」
友達なのかな…?
そう思って上原君をチラリと見上げると…
なんとも不機嫌そうに眉間へと皺を寄せてて。
ツリ目を更に釣り上げながら、声を掛けてきた相手に対し…殺気丸出しで睨み返していた。
「そんな睨むなって~。同中の仲じゃんよ~?」
…どうやら、中学時代の知り合いみたい。
けど2人の様子を見る限り、仲の良い友達には全然見えなかった。
「待てよ、久し振りに会えたんだしさ~…?」
僕を庇うように手を引いて。
無視を決め込み、先へ行こうとした上原君の肩をガッシリ掴む…先ほどの、鼻ピアスの少年。
…顔がかなり厳ついから。
少年て表現も、ちょっと違和感があるかもしれない。
それよりどうしよう、
なんとなくヤな感じだ、この人達…。
決して友好的とは言えない彼らに、空気と化し肩を窄め、佇んでた僕。
けれど…
「何コイツ~!パシリにしちゃ、頼りなさすぎだろ~?」
いつの間にか近寄ってきた別の少年が、まるで逃がさないとばかり僕の肩をガシリと掴んできた。
くっ…わざとかな、なんか苦しいんだけど…。
「ソイツに触んじゃねぇ…」
今にも飛びかかりそうな勢いで、
僕に絡んできた少年を威嚇する上原君。
少年は最初、あからさま怯んでいたけど。
「こわ~い!」とおどけながら、ソレを躱していた。
「あ~…?もしかして、さぁ…」
そんな遣り取りを見た、鼻ピアスの少年が。
何か悪戯を思い付いたかのよう、下品な笑いを浮かべ始め。
上原君の肩を掴んだまま、ニタニタと顔を近付ける。
あからさま嫌悪を露わにした上原君に対し、
彼は突然…信じがたい台詞を投げて寄越した。
「このチビ……お前のセフレだろ?」
「なっ…」
思わず絶句したのは僕で。
途端に心臓が、嫌な音を立て…軋みだす。
「……………」
「オレさぁ~、ちょい前に見ちまったんだよね~。森林公園で、さ~?」
ドクン…ドクン…
何言ってんだろ、この人…やだ、やめて─────…
「お前…男とキス、してただろ?」
「………!!」
あの日、綾ちゃんと上原君の事を…
見てたんだ、コイツは…
「正直ドン引きしたぜぇ~?顔が良いと、女も男も関係なく節操ナシになんだなぁ~。まあ…あんだけ女とヤりまくってりゃ、飽きてもくるわなぁ?」
「……………」
表情は変わらず、黙ったまんまの上原君。
けれど握られた拳は…ギチリと震えていた。
「こんな冴えねぇチビでも、突っ込めりゃ何でも良いもんな?そんなイイのか?ケツの穴ってのはよ~。」
ドッと品の無い笑いを飛ばす5人。
何が可笑しいんだか、僕には全然解らない。
だって上原君は、上原君はっ─────…
「………れ…」
「あン?」
その声に、僕へと肩を組んだままのヤツだけが気付いて…笑うのを止める。
抑えきれない怒りが、
喉元を突き抜け、一気に溢れ出し。
「謝れ……上原君に謝れッ…!!!」
気付いたら僕は、鼻ピアスに突進してた。
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