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side. Tamotsu 「うおっ…!?」 不意打ちを喰らった鼻ピアスが、勢いよく地面に尻をついて。 僕はソイツに馬乗りになり。 力いっぱい、両拳を握っては叩きつけてやる。 「上原君はそんな人じゃないっ…!本気だったんだっ…本気で綾ちゃんの事が好きだったんだよ!!」 キミの視線に気付いた時から、ずっと見てた僕。 だから全部知ってる。 キミがどれだけ綾ちゃんを好きで、 どれくらい苦しい思いをしてきたかも…。 だからこそ、許すわけにはいかないんだ。 「何にも知らないクセにっ…お前なんかに解るわけないだろ!!謝れっ、謝れよ…!!ううっ…」 「たも、つ…」 悔しいよ、悲しいよ。 こんなのってあんまりだ。 酷く取り乱した僕に、上原君も反応出来ず。 他の少年達と同様、茫然と立ち尽くしていたけれど… 「……ざけんなよっ、クソチビがっ!!」 我に返った鼻ピアスが、ブチ切れて僕を拳で凪払う。 「ああ…ッ!!」 小柄な僕は軽々と吹き飛び、煉瓦造りの花壇に勢いよく激突してしまい… そのまま地面へと崩れていった。 「保っ…!!」 上原君が駆け寄って来る気配がして… 僕の身体が、その腕に抱き起こされる。 「あやま、れっ…」 「保…」 でも、まだ終わってない。 絶対、許さない。 「上原くんに、あやま、れ…」 「もういい、保…!」 僕の言葉を、その胸に包んで遮った上原君。 視界が悔し涙と殴られたショックでぼやけてしまい。 その表情までは判らなかった。 「…ちょっと待ってろ。」 すぐ終わるから、と… 上原君は僕を抱き上げ、少し離れた場所へとゆっくり下ろして。 「お前ら、覚悟しとけよ…」 「あ?」 今からブッ殺される覚悟を。 うっすらとしか開かない目で、 僕は懸命に大好きな背中を追い掛ける。 (上原、く…) 「傷付けたんだ…俺の…」 (なん、て…?) 消えゆく意識の中で、上原君が口にした台詞。 「コイツは、」 それは… 「保は俺の、大事な─────」 僕にとっての、都合の良い夢… だったのかもしれない。

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