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side. Tamotsu
ザァァ──────…
冷たいシャワーに自ら打たれながら、
未だに残る唇の熱を、
手で覆い隠す。
(お礼って…)
普通、トモダチにはしないよね?
キスなんて、さ…
僕の気持ちを知っている上原君。
いつだって優しい彼は、
その事実を汲んでくれ…気を遣ってくれてた。
(コレもそういうコト、なのかな…)
チクリと胸に突き刺さる…複雑な痛み。
不器用なりにも、友達として接してきた…つもり。
そりゃ端々で、好き好きオーラを醸し出してはいただろうけれど…。
なるべく意識しないよう、触れたりしないようにって…僕なりにも線引きしてたんだ。
(だってそんなコトしちゃったら───…)
抑えがきかなくなるって、解っていたから。
だから僕らは友達なんだからって、
自分に言い聞かせて、耐えてきたのに…
「うっ…えっ……」
これはなんの涙なんだろ?
解ってるのは苦しいってコト。
キミの優しさに、すぐ絆されちゃう自分がヤだ…。
(その気に、させないでよ…)
優しくされたら甘えちゃう。
キスなんかされたら期待しちゃう。
キミが僕を友達だって言うのなら。
こんなこと、しないでよ…
もっと欲張りに、なっちゃうじゃんか…。
「もう…」
どうしていいか判らない。
どんな顔して『友達』してればいいんだろ?
上原君はまだ失恋したばかり。
それでもいつかは、もしかしたら…って。
彼が与えてくれたチャンスに、縋りついてきたけど。
(このままじゃ、壊れちゃいそうだ…)
好きって気持ちだけで、傍にいられると思った。
なんだって耐えてみせるって。
けどやっぱり辛いや…
キミもきっと、こんな気持ちだったんだろうね。
戸惑いに身を焦がし、涙する。
いくらシャワーで誤魔化しても、ソコだけは熱くて…
先の見えない闇に苛まれ流れる、僕の涙は。
ボロボロと…途方もなく溢れ続けていた。
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