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side.Tamotsu
屋上の扉の前で佇むこと30分。
僕は息を潜め、項垂れていた。
流石に18時前。
新学期3日目とあってか、部活動も本腰を入れておらず…。校内は思ったよりも閑散としていた。
もう、いないかもしれない。
てか、いないよね…
もし僕が行かなかったら、
それがコタエになるのかな…?
さっきまでの決心がここにきて、
ポキリと呆気なく折れていく。
(帰ろう…)
はぁ…と息を吐いて、回れ右をしたら────…
「遅ぇよ…」
突然ガタンと勢い良く扉が開かれて。
「あっ…─────わわっ…!?」
何も判らないまま、
グイッと手を引かれ屋上へと導かれ…
僕は今、キミの腕の中。
「ちょ…上原く─────」
名を呼ぼうとしたら。塞がれてしまった…唇。
荒っぽいのに、なんだかぎこちなくて。
キミらしくて、キミじゃないみたい…。
「はぁ…いつまで待たせんだよ、たく…。」
「なっ、だって────…」
僕が扉前まで来てた事はバレてたみたいで。
上原君は苦笑を浮かべ、くしゃりと僕の頭を撫でる。
やだ…ダメだよ、またそんな顔見せちゃ…
「泣いた、のか…?」
腫れぼったい目元に触れ『俺の所為?』と問う、上原君は。今度は切なげに微笑む。
いたたまれなくて目を逸らそうとしたら…
両手で頬を包まれ、阻止されてしまった。
「もッ、やめよ…こんな事っ…」
甘く大好きなその瞳に射抜かれるのが、あまりにも辛くて。
自ら切り出した僕。
「…友達を、か?」
ウンと頷いたら、キミはあっさりこう応えた。
「そうか…。じゃあ、やめようぜ。」
なのにまたキスをするのは、何故なんだろう?
「んッ…!や、だぁ……」
耐えきれず泣き出せば、唇は離れていったけれど。
「ど、して…こんなコトっ…!」
堰を切って問い詰めれば。
キミは僕に顔を寄せ、真顔で叫ぶんだ。
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