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side.Tamotsu 「好きだからに決まってんだろっ…!」 「え……」 反応出来なかった僕は、 また乱暴に唇を奪われてしまった。 「んぁ、ふ…ぇッ……」 込み上げてた醜いモノが全て浄化され、 別のモノへと生まれ変わる。 絶望で埋め尽くされてた心が、 夢にまでみた彼の一言で以て キミへの純粋な愛情だけに溢れ… いっぱいになった。 「保。」 「な、に…?」 「始めようぜ、」 恋人から。 溢れる、溢れる。 もう我慢しなくていい、 隠さなくても、いいんだ。 キミを知った日から、 僕の器にはキミでいっぱいに満たされてて。 零れ落ちてしまいそうな気持ちを、 ひたすらに保とうとしてた。 けどもう、いいんだよね? キミが全部、受け止めてくれたんだから… 「…うん…!!」 僕は今までの迷いを捨てて。 抱き締めるキミの広い背中へと、腕を伸ばすんだ。 「…あ……やッ…ぁ…」 「ヤじゃねぇだろ、保ッ…」 学校の屋上、真っ赤に燃える夕焼けの下で。 今は誰にも邪魔されたくない… だってコレは、愛の営み。 硬いコンクリートの上だって関係なくて。 喜びに打ちひしがれまっすぐに、 キミの与える愛に甘んじて酔いしれた。 「保ッ…保…!」 はまともに見られなかった顔は、 今は余裕なく歪められて。 とってもとってもキレイでカッコイい… 僕の愛しい人のもの。 大好きな低めの掠れ声で、 僕の中に繋がったまま。 何度も何度も名を呼ばれたら… 幸せ過ぎて、今にも死んでしまいそうなくらいだよ。 「あ…あっ、あき…ひとくんっ…!」 普段なかなか口に出来ないキミの名を、 今だけ恥を捨てて、僕からも呼んでみたら… 「チッ…!ヤバいんだよ、ソレ───…」 僕の中のモノが、 ひときわ大きく膨らんで。 上原君は獣みたく、妖艶に吠えていた。

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