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第8話 パニック2
次の瞬間、今度は意味不明な言葉とともにバスタオルやバスローブやプラカップなど様ようなものが勇介に向かって飛んでくる。
「わっ! ち、ちよっと待って。涼一くん。見てない! 何も見てないから!!」
……本当はしっかり見たけど。
桜色の小さな乳首も、まだまだ少年の性器も全部見たけど。
「うるさい! 変態、スケベ看護師!!」
「だから、何も見てないって」
いや。大体同性の裸を見たからって、なんで俺、こんな嘘の弁解してるんだ?
涼一は思春期だから裸とか大事な部分とかを見られるのを恥ずかしがるのは分かるけど……。
勇介は冷静になると、最後に飛んできた歯ブラシを避け、優しい笑顔を浮かべて言った。
「……ごめん。本当は見た。でも別にいいじゃないか。男同士なんだし。それに涼一くんの裸綺麗だよ?」
しかし、どうやら最後の発言は余計だったようで、
「~~~~っ!! このセクハラ看護師!!」
涼一はバスルームのドアから顔だけ出してセクハラだと怒っている。
「本当のこと言っただけ……って、ごめん、悪かったよ」
何度も謝るも、涼一は完全にふくれている。
「許さない。は、裸なんか恋人にだって見せたことないのに……」
「え……」
涼一の恋人いる発言に何故か少しショックを受ける勇介。
「涼一くん、恋人、いるんだ?」
「……いないけど」
「なんだよ、それ」
勇介が苦笑すると、涼一の機嫌はますます悪くなった。
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