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第13話 ヤンデレくん

「いったい、これはどういうこと? 先生」  勇介が運転する車に乗り込んだ涼一は戸惑いも露わに聞いて来た。 「どういうことも何も、言葉の通り僕と君は結婚したんだ。スーツを着て貰ったのは一応花嫁衣装ということで」 「そんな……みんなおかしいよ」 「かもね。でも、あのまま君が部屋に閉じこもりっぱなしになるよりはマシだと思うよ?」 「先生……」 「さ、着いた。ここが僕の家だよ」  到着した勇介のマンションを見て、涼一は怪訝そうな顔をした。 「どうしたの?」 「先生の正体って谷川財閥の御曹司なんだろ?」 「正体って……うん、まあ、そうなんだけど」 「なのに、こんなこじんまりしたマンションに住んでるの?」  涼一の言う通り御曹司が住むにはあまりにも質素なマンションではある。 「……まあ、いろいろ事情があってね。おいおい話していくけど。さ、お手をどうぞ、花嫁さん?」  ふざけた調子で言ったのだが、パニックってる涼一は素直にその華奢な手を差し出した。  

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