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第31話 セックス

「先生……ちちょっと待って……ん……」  ベッドへと放り投げられた涼一の上に勇介が被さって来て、唇が塞がれた。  呼吸をしようと開いた瞬間に勇介の熱い舌が入り込んで来る。  ぬちゃっくちゃっと舌と舌が触れ合い絡まるヤラシイ音が響く。  受け止められなかった唾液が顎を伝いシーツを濡らして行く。  勇介は涼一の唇を貪りながら右手でパジャマの上から体をまさぐり始め、やがてその手は裾から中へと入りこみ素肌を愛撫し始めて。  胸の突起に触れられると甘い刺激が下半身にダイレクトに伝わる。 「あっ……や……んっ……」  ようやく解放された唇からは自分のものとは思いたくないくらい切なく甘い声が零れ落ちている。 「可愛いね……涼一は……」  少し掠れた声で囁かれ、ドクンと胸が高鳴り、下腹部のそれは完全に勃起した。  勇介はそのまま涼一の首筋から鎖骨、そして乳首へと唇を這わせていき、女性のそれとは明らかに違う小さく可愛い乳首を口に含んだ。 「ああっ……」  敏感になりすぎている涼一はその瞬間にイッてしまった。 「もうイッちゃったの? そんな可愛い顔して淫らな体をしてるね、俺の奥さんは」  そう言って視線を合わせて来ると、妖しく微笑んだ。 「せ、先生……も、やだ。やめてよ。これ以上されたら、俺、変になる……」 「『先生』じゃなくて『勇介』。言ってごらん。『勇介』って」 「…………」 「ほら」  勇介は涼一の乳首を思い切り捻り上げた。 「ひぁっ……ゆ、勇介……」 「よくできました」  頭をなでなでしてくれたので、てっきりもう終わりにしてくれるんだと思って、ホッとしてたら、違った。  勇介は涼一の両の膝の裏側に手を入れると大きく脚を開かせて。 「……今からもっとヨくしてあげるからね」 「えっ!? ま、待って」  涼一自身が放った精液をたっぷり後孔にこすりつけると、ひどく硬く熱く大きなモノがそこにあてがわれた。  それが勇介の性器だと気づいたときにはもう先っぽが挿入されていた。 「ああっ……」  さっき散々指で弄られていたそこは精液のぬめりもあり、一気に奥まで突入する。  痛みはほとんどなかった。ただただ気持ちいい。 「……っ……狭……涼一……涼一」  掠れた声で名前を呼ばれ、前立腺を何度も何度も突かれて、頭が真っ白になるくらいに気持ちが良くて。  涼一の頭の中は今、勇介が与えてくれる快楽一色だった。リスカもODのことも欠片もなかった。 「せ、先生……」  そう呼ぶと、責めるように動きをやめてしまう。  涼一は勇介が欲しくて、欲しくて。 「ゆ、勇介……」  その名を呼ぶと、満足そうに微笑んで一層突きを激しくした。 「あっ……ああ……気持ち、いい……せ、勇介……」 「涼一……可愛い……だよ……」  涼一には勇介の最後の言葉は聞き取れなかった。  あまりにもキャパオーバーの快感に、今度こそ深い眠りのそこへと落ちて行って行ってしまったから……。    

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