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第58話 永遠
その夜のセックス、勇介は涼一を焦らし泣かしまくった。
涼一の頭のてっぺんから爪先までキスをしたが、決定的なところはわざとよける。
イきたくてもイけないもどかしさに涼一は涙を溜めた目で訴えかけて来る。
「勇介さん、も……お願い……欲しい……」
「まだだめ。今夜は俺たちの本当の意味での結婚式だったから、ゆっくり涼一を味わいたいんだ」
「でも、俺、もう……イきたい……勇介さん、お願いだから」
「しかたないな。涼一は」
でも、可愛いよ、と付け加えると、勇介は涼一の性器を口に含んだ。
「あっ……ああっ……」
散々焦らされたあとだったので、一瞬で涼一は勇介の口の中で射精した。
勇介はそれを飲み干すと涼一にキスをした。
まだ口の中には涼一が放ったものの味が残っている。その唾液を涼一に送り、訊ねる。
「どうだい? 自分で放った奴の味は?」
「そそそそんなの分からないよ。ででも美味しくない……」
「こんなにおいしいのに……」
勇介は真っ赤になってる涼一の前で、もう一度ごくんと唾液を飲みこんだ。
「……ゆ、勇介さんって、その、シテるとき、人格変わるよな」
「ありがとう」
「褒めてないっ……あっ」
涼一の語尾が甘く高く跳ねる。
勇介が大きく開かせた涼一の間に体を滑り込ませて、硬く大きく勃起し雄を涼一の後孔へとあてがったからだ。
次にやって来る激しい快感を思い、体を震わせる涼一がとても可愛い。
勇介は一気に涼一の体を貫いた。ズブリという音が静かな部屋に響き、涼一は二度目の絶頂を迎える。
「ああっ……勇介さんっ……大き……」
勇介の背中に涼一が爪を立て、後孔がキュウ、と締まる。
「っ……」
強い締め付けに、勇介もイきそうになるが、なんとかそれを耐える
イったあと肩で息をしている涼一を抱きしめ、動かないでいると、涼一が焦れて懇願して来た。
「勇介さん」
「何?」
「も……と、欲しい……」
「二回もイったのに、淫乱だね、涼一は」
そう言いながらもゆるゆるとゆっくり動き始めると、また涼一の性器が勃ち上がり始める。
「あ……あ……勇介さん……」
緩やかな動きに、足りないとばかりに涼一が自ずから腰を揺らし始める。
「……まだ、足りないの? 涼一」
「意地悪しないでよ……勇介さん……もっと……」
涙目で見つめられて、勇介の我慢も限界だった。
涼一の腰を掴むと激しく動き始める。
「涼一、涼一……」
「あっ……ああ、勇介さん……好き……大好き……」
「俺も、愛してる」
二人は夢中で愛し合った。ベッドがギシギシといやらしく軋む。
やがて、二人に限界がやって来て、勇介が涼一の中で射精すると、その刺激に涼一もまた吐精したのだった。
「明日、さ……」
まだ荒い息の中、勇介は涼一の額にそっとキスをしながら囁く。
「明日、早く帰って来るから……指輪、買いに行こう……」
「指輪……?」
涼一もまだ呼吸が整わないまま問い返す。
「そう、結婚指輪……。政略結婚なんかじゃない、本当の結婚の証に……。いつまでも、一緒に暮らそう……ずっと俺の傍にいてくれ、涼一……」
「勇介さん……」
涼一の目から涙が零れ落ちる。
その涙にそっとキスを落として、勇介は囁いた。
「永遠の愛を誓うよ、涼一……君に」
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