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第7話

「……っ! 臣、やめろ!!」  俺は明のスラックスに手をやるとファスナーを下ろして、彼が履いているボクサーパンツごと一気に引き下げた。焦点の合わなかった明の瞳に焦りが宿る。 「ほんと、無理っ……やだぁ……!」  明のスラックスとパンツを完全に脱がして床に放り投げた俺は怯えたように閉じようとする彼の股を大きく割り開き、その間に自身の身体を入れた。思い切り開かれた太腿の間にある縮こまったペニスとさらに奥に秘められた蕾が、窓から差し込む夕陽に晒される。 「ここでヤッたんならローションあんだろ?どこだよ」 「っ、ふざけんなよっ……!!」  俺の理不尽な仕打ちにとうとう怒りの感情が爆発したらしい。明は目を剝いて見たことのない形相で俺に怒鳴りかかった。しかし今の俺にとっては明のその顔すらも興奮を高める材料にしかならなかった。 「ねぇんならこのまま突っ込むけど、いいよな?」 「ひっ……⁉」  舌なめずりをしながら指先をひっそりと息づく蕾に当てる。その瞬間、明の身体があからさまに跳ねた。 「臣……おまえ、冗談……だよな……?」  明の身体が小刻みに震えだす。カタカタと、上下の奥歯がかち合う音もかすかに聞こえた。  俺は明の後孔に指をあてたまま、彼にわからせるように悠然と微笑んだ。 「ので、分かんなかったか?」  言外に本気であることを匂わせながら、指先でその蕾をくるくる撫でまわす。明は震えながら俺を見つめていたが、やがて唇を強く噛みしめると、諦めたように俺から目をそらした。 「……そこの引き出し、一段目……」  明に顎で示された引き出しを開けると文房具に交じって小さなボトルと封の切られたコンドームの箱が入っていた。「0.01」と書かれたコンドームの箱を冷めた目で一瞥しながら、隣に転がるボトルを手に取る。  デフォルメされた男女のキスシーンが描かれた安っぽいボトルのキャップを開けて、手のひらの上にあける。ひんやりとしたジェル状のそれは、手のひらの体温に温められると、とろりとした液体に変わった。 「面白いよなぁ、女のナカにこれを塗りたくってたお前が今度は塗られる側になるなんてな」  くすくすとからかうように笑うと、嫌そうに横を向いている明の顔に怒りの閃光が走り抜けた。しかし、俺の本気を感じ取って怒る気力すら無くなってしまったのか、彼は何も言わなかった。  俺は指先にローションを絡めると再び彼の蕾にあてがった。ひくつく(すぼ)まりに潤いを与えるように塗り込んでやると、明の息遣いが少しずつ変わり始める。 「ん……ふっ、う……んっ」  明は唇を噛みしめて息を吐くのさえこらえているようだった。俺は空いている手を伸ばして明の頬に添えると親指の腹で彼の下唇を撫ぜてやった。 「噛むなよ、傷になんだろ……気にしねぇから、好きなだけ声出せよ」  明の柔らかい唇の感触をふにふにと押して確かめながら、同時に中指の先をぷつりと明の蕾に潜り込ませる。 「あっ――…⁉」  明の身体がのけぞる。彼の蕾は挿入されたを拒むようにぎゅう、と俺の指を締め上げた。 「こんなに締めてたら中切れんぞ、力抜け」 「嫌…だぁ……無理だっ……臣っ」  怯え切った明の内壁は俺の指を押し出そうと懸命にうごめいていた。しかし俺はわざとその反発を押し広げるように動かしながら、ゆっくりと根本まで指先を埋め込んでいった。 「お前の中、めちゃくちゃ熱いな。すっげぇうねうねしてるし俺のちんこ入れたら気持ちよさそう」  明の耳たぶを軽く食みながら吐息を吹きかけるように笑いかけると、明の身体がこらえきれないようにびくびくと震えた。

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