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【2】

「……は?料理?」 「ああ。今度家庭科の調理実習でカレーをグループで作るだろ。さっきも言ったけど俺、本当に料理出来なくてさ。自分だけで失敗したものを食べるなら良いけど、同じグループの人らに失敗した料理食べさせるわけにはいかないと思って。駄目かな、誰にも頼めなくてさ」 少し恥ずかしそうに笑いながら頼まれて「……俺の料理の腕だって大したことないけど、それでも良ければ」と答えた声が震えた。 もし俺が同じグループだったら、そんな顔されて料理出来ないなんて言われても幻滅どころかむしろ喜んでお前の分まで作らせて頂く。 「本当か?ありがとう」 木月は俺の返事にほっとした表情を浮かべた。 「じゃあ、もし今度の日曜に一ノ瀬に予定がなかったら俺の家に来て料理教えてもらえないか?」 「……俺は予定ないけど。でも日曜に家に行ったら家族の人に迷惑なんじゃね?」 「ああ、大丈夫。俺の両親日曜は大体ふたりでどこか出掛けてるから。他に兄弟もいないし」 好きな人の家でふたりっきり……という事実に密かにドキドキしながらも「じゃあ日曜に行かせてもらうから」と俺はそっけなく言った。

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