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【8】
家に帰るとそのまま自分の部屋に直行し、鞄を放り投げてベッドに寝転んだ。
携帯が鳴った音が聞こえたが無視して布団を被る。今はもう何も見たくないし聞きたくなかった。
好きな人がいる。
木月に言われた一言がずっとぐるぐる頭の中を回っている。
そもそも木月に好きな人がいようといまいと同性の自分とどうにかなるなんて可能性なかったし、傷つく権利なんて俺にはない。
「………………っ……」
そうわかっているのに、変な期待はしていないつもりだったのに、涙が止まらなかった。
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