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「………………好きなんだ」 気づいたらそう口にしていた。 怖くて木月の目は見れず俺は視線を落としたまま続けた。 「…………ずっと、好きで……その…友達としてじゃなくて。……お前に好きな人がいるって言われた時、ショックだった。……男に好きとか言われても気持ち悪いだろうけど……」 上手く言葉がまとまらない。本当は喋るだけでもかなりしんどいけど、ここまできたら最後まで言わなきゃいけないと思った。 「………………。」 自分に下心がある男なんかに手なんて繋がれたくないだろう。 ぐちゃぐちゃでも自分の思いを言葉にして少しだけ冷静になった俺は、そう思って何も言わない木月の手を離した。 やっぱり気持ち悪いだろうな。木月は優しいから言いふらしたりはしないかもしれないけど、距離は置かれるだろうし……。ってかこのまま何も言わないで保健室から出て行く可能性も……。 考えていると急に木月がガタッと動いた音がして思わずびくっと体が震えた。。 何かされるのかな、と怖い想像でドキドキしているとそばにあったタオルを持ってしゃがみ込み、横になっていた俺と同じ目線になると軽くタオルで涙を拭いてくれた。 「……俺も好きだよ」 …………これは夢か?今、好きって言った…? 信じられないという顔をしていた俺に木月は優しい表情でもう一度はっきりと「好きだよ」と言った。 そして今度は木月から俺の手を握ってくれた。握られている手の感覚はどう考えても夢じゃなかった。

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