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【20】

「んー……何から話せばいいかな」 隣に座る木月が困った顔で呟く。 待ちに待った放課後、教室には俺と木月の二人だけ。 廊下や隣の教室からも人の話し声は聞こえず、自分の心臓の音だけがうるさかった。 俺はドキドキしながらも一番気になっていることを聞いた。 「……木月……あのさ、その……木月が言ってくれた『好き』って、俺と同じ……恋愛的な『好き』なんだよな……?」 「……?もちろん」 木月はあっさりと、むしろなんでそんなこと聞くのかというようなきょとんとした表情で頷いた。 一緒にアイスを食べに行った時に言っていた好きな人というのも俺のことなのかと聞くと、そうだよ、とこれもすんなり頷いた。 すごく嬉しい……はずなのに、木月の表情が特にいつもと変わらないからかあんまり実感がわかなかった。 木月って普段から大人びているし、照れたりはしゃいだりとかそんなにないんだろうか。 まあ好きなんて言葉言われ慣れてるだろうけど……。 少し複雑な気持ちでそんなことを考えながら「……前一緒に買い物してた二宮さんとは昔からの友達?」と二番目に気になっていたことを聞いた。 その時教室のドアがガラッと開いて、俺の質問の答えは予想外の人物ーーー教室に入って来た二宮さんの口から出てきた。 「従兄弟なのよ。このヘタレと」

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