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【26】
家に着いて、お邪魔しますと入ってきた木月をテレビのあるリビングに通す。
「飲み物コーラで良い?」
「ああ、ありがとう」
コーラと適当に買ったコンビニ菓子をテレビの前のテーブルに置き木月とふたりでソファに座った。
木月が借りたDVDと俺が借りたDVDどっちから先に見るかと言われ、木月に譲った。……悪い言い方だけど、苦手なものは先に終わらせたい。
DVDをセットしている最中、木月は本当に苦手なら無理しなくて良いと言って気遣ってくれたが俺は大丈夫と強がった。
…………実際始まると全然大丈夫じゃなかった。
もう最初の映像から怖かった。それでもまだ10個目までは我慢して見れたが15、20と進んでいくうちにとうとう気分が悪くなってきて止めてもらった。
「悪い……もう無理……」
「いや俺のほうこそごめん、ここまで無理だと思わなくて。……大丈夫か?」
木月はそう言うと軽く俺を抱きしめてくれた。が、恋人同士のそれというよりは親が子供を慰める時にするような感じのものだった。
そのまましばらく抱きしめられていると安心出来て徐々にだが落ち着いてきた。
気持ちが落ち着くと今度は抱きしめられている状況にドキドキしてきて、もっと強くぎゅってしてくんないかな…なんて考えてしまう。
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