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第181話
「せっかく兄さまたちが来られたことですし、湊と蒼を呼んでも良いですか? せっかくだから、皆で食べれたら楽しいと思うのですけれど」
もともと雪也が買っていた食材もあるので、食事に関してはまったく問題ないだろう。弥生たちが来ればわちゃわちゃと心地の良い騒がしさが訪れるから、せっかくだしと弥生にお伺いを立てれば、彼は微笑んで頷いた。
「それは良いな。せっかくだから呼んでおいで。湊と蒼も喜ぶだろう」
快諾してくれたことに笑みを零して、雪也はいつものようにカゴを持つと未だにじゃれ合っている周と由弦に近づいた。
「湊と蒼に夕飯のお誘いに行ってくるね。由弦はそろそろ周を放してあげないと、周が潰れるよ」
微笑みながら言う雪也に周はジッと視線を向け、由弦は「あ……」と勢いよく周から手を離した。
「なぁ雪也。雪也の刀って、見ちゃ駄目か? 絶対に壊したりしないから、見せてほしいんだけど……」
紫呉が己の槍を大切にしているからか、由弦は恐る恐る雪也を見つめる。雪也が嫌なら絶対触らないし、見るだけだからとポツリポツリ言う由弦にクスリと笑って、雪也は奥に隠していた刀を手に取り、由弦に渡した。
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