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第199話

(これぞ悲劇ならぬ喜劇!)  けれど湊はどうにかしてやろうなどとは思わない。紫呉たちはもちろん、弥生たちや周たちに関しても本人達の自由で、彼らが自分でどうにかしなければならないことだからだ。  だから今回も、何も言わない。紫呉の表情に気づいていようと、何も言わずに、何も知らないとばかりに由弦とバカ騒ぎをして、年よりも幼いのでは? と思われるくらいにはしゃぎまくる。 (これを、この国では何て言うんだったかな……)  あぁ、そうだ。Pierrot――道化師になって。 「紫呉さま、由弦と一緒に、俺も槍を教えてほしいな。自分で弥生さまにお願いするから、俺も槍を貸してほしい。それで、一緒に稽古したい」  一通り由弦とはしゃいで、笑い過ぎで息を切らせながら湊は紫呉に視線を向ける。腕を組んで余裕そうに見せながら二人を見つめていた紫呉は大丈夫だろうと零した。 「お前がこっちに来た時点で弥生もそのつもりだろうから、ちゃんと湊の分も持ってくるって。んじゃ、とりあえずお前らに聞こうか。極めるなら、強さと速さ、どっちがいい?」  その答えに合わせて色々考えてくると言う紫呉に、由弦も湊もコテンと首を傾げた。

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