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第465話

「……僕は……」  縋るように、雪也は弥生の袖を握る。 「うん」  どうか、どうか、願ってやまない。 「僕、は……、側にいたいのです。僕は、弥生兄さまの側に、皆の側に……、ずっと、一緒にいたいのです」  独りにしないで。ずっと、この手を離さないで。叫ぶように、泣きじゃくる子供がしがみついて、怖い怖いと嘆く。 〝良い子にしてるからッ。もう迷惑かけたりしないからッ。きっと役に立ってみせるからッ。ずっと笑っているからッ。キレイであり続けるからッ。だからッ、だから――ッッ〟 「先程も言ったが、理想通りではない雪也などいらないなど、言った覚えはない。雪也が望む限り、ずっと一緒だ。それは私だけではない。優や紫呉も、周も蒼も湊も由弦も、皆がそう思っている」  この手が離されると、起きもしていないことを恐れて泣いているのは雪也だけだ。その手は――雪也に差し出された沢山の手は、離しはしないと掴み続けているというのに。

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