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第511話

「そうだね~。確かに狙われる可能性はあるかもしれないけど、逆に考えればそれだけの立場なんだから護りは徹底的にするだろうし、護る側であるお二人も、どちらかといえば最後の砦であって、最前線に走るような立場の方たちじゃないから、大丈夫だよ~。それより、僕たちの方こそ気をつけないとね。僕たちがフラフラして危険な目にあったら、それこそあの方たちは心配でご自分のことに集中できないだろうし」  庵が危険になれば、彼らは必ず庵に人手を割くだろう。そうすれば弥生の護りが薄くなってしまう。蒼の言葉でそのことに思い至った湊は、ギュッと箸を握りしめた。 「確かに蒼の言う通りだね。俺は時間にあんまり縛りが無いから、周が買い出しに行く時は一緒に行くよ。たいして役には立たないかもしれないけど、それでも一人でいるよりかは二人の方が少しは安全だろうし」  野菜は蒼が庵に来る際に持ってくればいい。その時も一緒に行くと告げる湊に、蒼は驚いた後に少し、眉間に皺を寄せた。

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