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第566話 ※

「なるほどのぉ……。して、どうする? これ以上を雪也殿に願うのは酷というものじゃが」  雪也が治療できない以上、この後をどうするか決めるのは大男本人だ。医者を呼ぶのか否かと問いかける老主に、大男は少し悩むものの僅かな希望を持って医者を呼ぶように兵衛に頼んだ。このままでは帰るに帰れないということもあるのだろう。 「では、私は医者を呼んできましょう。雪也さんも一緒に」  周たちに雪也を一人にさせない、必ず蒼の店まで送るという約束をしたからだろう、兵衛が立ち上がって雪也を促す。雪也としてもこれ以上ここに居たところで出来ることは何もないため、心配は残るものの立ち上がった。そしてふと思い出し、振り返る。 「そういえば、夜中に食べたと仰っていましたが、お一人で食べられたのでしょうか? もしご家族も食べておられたとしたら、その量によっては、その――」  その場にいた誰もが、雪也が濁したその言葉の続きを理解した。ピシッ、と固まった中に大男もいることから、雪也の予想もあながち間違いではないのだろう。 「……医者を呼んでから、お宅の方も様子をみてきます」  内容が内容だけにそれが正しい判断かもわからないが、大男のように何が起こっているかわからず混乱しているかもしれないことを思えば、様子はみるべきだろうと判断して、兵衛は父親たちに少し待つよう告げると雪也を促して部屋を出た。

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